来季レベルアップ誓う
赤松孝撮影
赤松孝撮影
 全日本ロードレース選手権最高峰クラスJSB1000で、ホンダを代表するチームとして大きな存在感を放つのが伊藤真一監督のAstemo Honda Dream SI Racingだ。昨季のエースライダー清成龍一が今季チームを移籍し、その穴を埋めるライダーとして作本輝介が抜擢された。初のJSB1000クラスでシリーズランキング4位、ホンダ勢では最上位を獲得した。次世代を担う作本に今季の戦いを振り返ってもらった。

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 −JSB1000クラスは自身の目標にありましたか?

 作本輝介「国内で1番の(レベルの高い)クラスなので、挑戦したいと思っていました。小さいころに全日本を観戦した時にJSB1000クラスで圧倒的な強さを示していたのが伊藤真一さんでした。その子どものころからの憧れの人の伊藤さんがチームを立ち上げた時(2020年)、ST1000ライダーに自分を選んでもらえてすごくうれしかった。絶対に期待に応えたいと思いました。ここで認めてもらって、JSBのライダーになることが目標になりました」

 −2020年にJGP2からST1000にスイッチし、ランキング3位。2021年はチームメイトの渡辺一馬選手とタイトル争いを繰り広げ、全7戦中2勝、2位2回、3位1回、2戦がノーポイント。追突されリタイアとなったアンラッキーなレースもありながらランキング2位を獲得しました。

 「ST1000参戦2年目でしたし、きっちりチャンピオンになって、JSB1000に乗せてほしいと言いたかった。タイトル争いができていたし、ステップアップのためにはタイトルが必要だと思っていたので、取れなかったことは悔しかったです」

 −伊藤監督は、ホンダのアドバイザー時代から作本選手を高く評価し、その将来性を買ってJSB1000のエースライダーに作本選手を抜擢したそうです。

 「尊敬するライダーの清成龍一さんがチームを移籍し、その代わりを自分が任されることになり、大変なことだとは思いましたが、もちろんやれると思っていたし、やるしかないので、期待に応えたいと思っていました。選んでもらえたことをありがたいなと感謝していました」
 −初めてのJSB1000挑戦、不安はありましたか?

 「鈴鹿8時間耐久の参戦経験があったことと、ST1000でも2年間戦い、マシンのパワーや難しさを知っていたので、不安はなかったです。中須賀さんや清成さんと戦えることが嬉しかったので、期待のほうが大きく、気合が入って、トレーニングもいつも以上に力が入りました。ですが、タイヤがダンロップからブリヂストンになり、車体のパーツも変わるので、それを理解するのに考えていた以上に時間がかかりました。伊藤監督が率いるアステモというトップチームで走るからには、トップ争いできるレベルにあることが絶対条件だと思っていたので、それができずなかったことは反省しかないです」

 −ヤマハやヨシムラなど強力なライバルチームがいるなか、ホンダ勢は市販キット車での戦いとなります。そのハンデは感じていましたか?

「答えるのが難しいですが、ハンデだと思ったら先がない。勝てないとは思っていません。ファクトリー系のライバルとトップ争いをするため、セッティングをしっかり出したいと思っていましたし、自分のライディングの幅も広げるため、毎戦いろいろと考え、トライしていました。でも、マシンと自分の走りを合わせ込むことが難しかった。レースごとに『どうしてだろう』と考える時間が多かったと思います」
 −最終戦の第8戦鈴鹿(11月5日〜6日)で、表彰台には届きませんでしたが、決勝レース中にはトップ争いできるタイムを記録しています。スピードを持っている作本選手の武器が生かせていない印象が残りました。

 「今年は、昨シーズン清成選手が残したタイムを超えることを目安に戦ってきました。第4戦SUGO(6月4日〜5日)と第7戦岡山国際(9月17日〜18日)ではタイムを超えることができ、鈴鹿では清成さんが2分5秒1の記録を残しているので、最終戦はそこを目指していました。鈴鹿8耐で出した2分6秒3が自分のベストタイムだったので、秋に開催される最終戦鈴鹿では5秒台へ入れる自信があったのですが、届かなかった。予選までにしっかとタイムを上げていくことができず、決勝でもケガの影響が残る清成さんに負けてしまいました。今年の鈴鹿8耐でも、序盤の転倒でたくさんの人に迷惑をかけてしまい、ダメダメなシーズンだったと思います」

 −それでもランキング4位、ホンダ勢トップの結果を残しました。

「ホンダ勢トップではあっても、内容がともなっていないので、喜べないです。来年はレベルアップして、トップ争いができるようにしなければと思っています。しっかと考えて、今年の経験を生かすことができるように自分を追い込んで行きます」

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▼作本輝介
1996年12月15日生まれ。鹿児島県出資。7歳でポケバイに乗り始め、名門チーム高武入り。2013年全日本ロードJGP3参戦開始。2019年JGP2ランキング3位。2020年から伊藤真一監督のチーム移籍。ST1000ランキング3位。2021年同2位。2022年JSB1000にステップアップ、ランキング4位。