ファビオ・クアルタラロにインタビュー
ヤマハ提供
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 ロードレース世界選手権第14戦日本GPは、10月1日に栃木県モビリティリゾートもてぎで決勝が行われた。レースウィークの始まり木曜日にヤマハ広報主催でMonster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロの囲み取材があり、そのときのインタビューの様子をお届けする。

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 −初開催となったインドGP(9月22日〜24日)では、土曜日はスコールに見舞われてセッションディレイがあるなど難しいレースになりましたが、久しぶりの表彰台獲得となり、ファンはとても喜んでいたと思います。

 ファビオ・クアルタラロ「本当にタフなレースだった。ミスなく走り切れたし、最後までプッシュし続けた。インドは初開催で、コース(※ブッダ・インターナショナル・サーキット)に対してのデータがイーブンだったことが大きいと思う。ヤマハのマシンは変わっていないので、その特性や信頼性をチームが理解していることが強みになったんだと思う。他のマニファクチャーは毎年(マシンが)変わるからね。今後のレースでそれが強みになるかは分からない、インドではうまくいったんだ」
 −もてぎに入る前にヤマハ本社を訪ねたそうですね。

 「ヤマハの社長やエンジニアのトップと話す機会をもったんだ。3年間、ヤマハのマシンは変わっていない。毎レース伝えられることは伝えているけど、直接話ができることは大事だから。もちろん、ヤマハが何もしていないわけではない。努力は感じているけど…。結果が出ていない。結果が付いてきていない」

 −ニューエンジンが必要ですか?

 「エンジンだけの問題ではない、求めているのはパワーだけじゃないから、もっと複雑なたくさんの要素が絡み合ってマシンは出来上がっていくものだからね。とても難しいことは分かっている」

 −そうした中で、テストライダーとなったカル・クラッチローへの期待は?

 「24年度に向けてテストしてくれているはず。様々なセッティングを試しながら進めていると思う」
 −もてぎでの思い出は?

 「ふたつある。ひとつは2018年でモト2のとき、フランチェスコ・バニャイヤとのトップ争いを制して優勝したのに、レース後の車検でリアタイヤの内圧が規定違反となり失格してしまった。だけど、自分としては勝てたレースだから、すごくよく覚えている。もうひとつは、2019年にモトGPに上がった年、ルーキー・オブ・ザ・イヤーになれ、2位表彰台に立っている。とても嬉しかったので記憶に残っているね」

 −ファンはその思い出のレースを超える素晴らしい活躍を期待しています。

 「このコースはアクレショーンがポイントで、スローコーナーからのハードブレーキングが求められる。自分の強みはブレーキングだから、好きなコースでもあるんだ。これまでで1番心に残るレースをしたいけど…。難しいと思う」

 −2021年にモトGP世界チャンピオンに輝きましたが、以降は辛いシーズンを過ごしています。自分を支えているものは何ですか?

 「自分はヤマハのライダーで、ヤマハで勝つことがモチベーションだよ。どんなに難しい状況でも、結果を求めて、勝ちを狙ってトライすること。だから、もてぎでも最善を尽くす」

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 日本GPでは、予選14番手、スプリントレース15位となり、決勝ではウォームアップラップの直前に雨が落ち、レースは2度中断される波乱の中、10位フィニッシュとなった。

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 レース以外のことについては、最近はチェーンのネックレスから友人のブランドのパールのネックレスに変えたそうだ。特別に願いをかけているわけではなく、気に入ったからつけていると言う。すきっぱの前歯はフランスでは福を呼ぶ幸運の歯と呼ばれるそうで、そんな笑顔が魅力的なファビオには女性ファンが多い。もてぎのパドックでも熱烈なファンが人垣を作っていた。

 日本で行ってみたいところは?の質問には、「日本を観光したことがなく、渋谷と銀座に行ったことがあるぐらい。ちゃんと誰かに案内してもらって、日本を楽しみたいな」と話してくれた。

 モトGPライダーは、予選、スプリントレース、決勝まで緊張感を維持しながら年間20戦もレースをこなす。それも世界を転戦しながらだ。タフでなければ戦えないので、時間があればトレーニングをしているそう。ファビオはそれが趣味だと言った。彼のポジティブなエネルギーにあふれた取材は笑顔があふれていた。

 ◆ファビオ・クアルタラロ
 1999年4月20日生まれ。Monster Energy Yamaha MotoGP所属。フランス・ニース出身。4歳でレースキャリアをスタートさせ、2013年〜2014年FIMCEVレプソルシリーズモト3クラス参戦。チャンピオンに輝く。2015年WGPモト3クラスデビュー。2017年モト2クラス参戦。2019年モトGP参戦、ランキング5位でルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得。2021年ヤマハファクトリーライダーとなりタイトルを獲得。フランス人として初の栄冠を得た。2022年同ランキング2位。2023年日本GPを終えてのランキング10位。
佐藤洋美撮影
佐藤洋美撮影