第761回
3日連続2番手タイムも、アベレージの高さでナンバー1のロレンソ。チャンピオンの走りを見せてくれました。最終日には13ラップのロングラン。2分01秒台を8周、00秒台を5周。今年も強いチャンピオン健在であります
3日連続2番手タイムも、アベレージの高さでナンバー1のロレンソ。チャンピオンの走りを見せてくれました。最終日には13ラップのロングラン。2分01秒台を8周、00秒台を5周。今年も強いチャンピオン健在であります
 マレーシアと日本の間には1時間の時差があって、夕方6時にテストが終わったときには、日本は午後7時になっています。トーチュウに写真と記事を送っている飛び魚としては、この1時間の時差にいつも苦しめられます。ヨーロッパの7時間、8時間という時差ならば、1日遅れの掲載ということであきらめもつきますが、1時間の時差となれば、なんとかギリギリ間に合います。とは言っても、これは、何もかもがスケジュール通りに物事が進行しての話であります。テストが始まった5日、2日目の6日は関東地方のあっちこっちで雪が降り、そのために締め切りが通常より1時間から1時間半繰り上げられることになり、まだテストをやってる時間帯に写真を送り、原稿を書いたりしなければなりませんでした。

 熱帯の国にいて、「雪が降っているので原稿早く送ってくださいねー」といわれてもなあー。こっちは常夏の入道雲を見ながら、短パンTシャツであじあじあじーと言ってるわけですからね。まったくもって実感がありません。「今日は雪が降っているらしく、締め切りが早まったので急いでやらなくてはいけなくなりました・・・・」なんてことを仕事仲間のひとたちに言ったところで、日本の雪と締め切りに、どんな関係があるの?ポカーン・・・なのであります。そんな疑問に対して飛び魚は、雪が降ると交通事情が悪化します、そのため新聞の配送に時間がかかることが予想されます、そのため、締め切りの時間が早くなるのです、と説明するのでありました。

 思えば、去年のマレーシアGPも、東名の集中工事のために締め切りが大幅に早まりました。とにかく、マレーシアの公式テストやグランプリは、1時間の時差のために、予定通りに物事が進まないとすぐにバタバタになってしまうという、油断できない場所なのであります。

 ・・・と、ここまでは、昨日の午前中、テスト3日目・最終日(7日)の午前中に書いたものです。さあ、2日目のテストのまとめを飛び魚日記に書いてからプレスルームを飛び出そうと思っていたのですが、マレーシア公式テスト3日目にしてセパンは熱帯の太陽がギラギラ。午前10時の走行開始とともに選手たちはコースへ。うわー今日は最終日だし、天気もいいし、みんな気合入ってるぞー。うわー、こうはしていられない、オレも行かなくちゃ・・・と、飛び魚日記をほっぽりだして、プレスルームを飛び出して行ったのでありました。

 ・・・ということで、そこからは通常業務にかかり切りとなり、テストが終わり、ホテルに戻って食事をしてバタンキュー。爆睡して、いま、8日の朝を迎え、サーキットにほど近いホテルで朝を迎えているという次第なのであります。

 そこで、2日目、3日目をまとめてのレポート第一弾となるのですが、2013年を占うシーズン最初のテストの結果は、以下の通りであります。
3年ぶりにヤマハ復帰のロッシは、最終的に3番手。ペドロサとロレンソとのタイムを着実に縮めています。ヘルメットには「感動」の二文字。2月下旬の2回目の公式テストが楽しみであります。カラーリングは、ロレンソともどもテスト用。ニューカラーの発表は3月が予定されています
3年ぶりにヤマハ復帰のロッシは、最終的に3番手。ペドロサとロレンソとのタイムを着実に縮めています。ヘルメットには「感動」の二文字。2月下旬の2回目の公式テストが楽しみであります。カラーリングは、ロレンソともどもテスト用。ニューカラーの発表は3月が予定されています


[モトGPセパン公式テスト総合結果]

 順 ライダー(国籍/チーム/マシン/Overall BestTm/Diff/Gap/In Session)
 1 Dani PEDROSA(SPA/Repsol Honda Team/HONDA/02分00秒1///Session 3)
 2 Jorge LORENZO(SPA/Yamaha Factory Racing/YAMAHA/02分00秒4/0秒329/0秒329/Session 3)
 3 Valentino ROSSI(ITA/Yamaha Factory Racing/YAMAHA/02分00秒5/0秒442/0秒113/Session 3)
 4 Marc MARQUEZ(SPA/Repsol Honda Team/HONDA/02分00秒6/0秒536/0秒094/Session 3)
 5 Cal CRUTCHLOW(GBR/Monster Yamaha Tech 3/YAMAHA/02分00秒7/0秒634/0秒098/Session 3)
 6 Stefan BRADL(GER/LCR Honda MotoGP/HONDA/02分01秒0/0秒903/0秒269/Session 3)
 7 Alvaro BAUTISTA(SPA/Go & Fun Honda Gresini/HONDA/02分01秒5/1秒402/0秒499/Session 3)
 8 Bradley SMITH(GBR/Monster Yamaha Tech 3/YAMAHA/02分01秒9/1秒831/0秒429/Session 2
 9 Nicky HAYDEN(USA/Ducati Team/DUCATI/02分02秒1/2秒01/0秒179/Session 2)
10 Andrea DOVIZIOSO(ITA/Ducati Team/DUCATI/02分02秒3/2秒177/0秒167/Session 3)
11 Kosuke AKIYOSHI(JPN/HRC Test Team/HONDA/02分02秒5/2秒426/0秒249/Session 2)
12 Katsayuki NAKASUGA(JPN/Yamaha Factory/YAMAHA/02分02秒6/2秒516/0秒09/Session 3)
13 Aleix ESPARGARO(SPA/Power Electronics Aspar/ART/02分02秒6/2秒528/0秒012/Session 3)
14 Andrea IANNONE(ITA/Energy T.I. Pramac Racing Team/DUCATI/02分02秒9/2秒764/0秒236/Session 3)
15 Ben SPIES/USA(Ignite Pramac Racing Team/DUCATI/02分03秒0/2秒902/0秒138/Session 2)
16 Wataru YOSHIKAWA(JPN/Yamaha Factory/YAMAHA/02分03秒2/3秒056/0秒154/Session 2)
17 Randy DE PUNIET(FRA/Power Electronics Aspar/ART/02分03秒8/3秒691/0秒635/Session 2)
18 Michael LAVERTY(GBR/Paul Bird Motorsport/PBM/02分03秒9/3秒774/0秒083/Session 3)
19 Hector BARBERA(SPA/Avintia Blusens/FTR/02分04秒2/4秒111/0秒337/Session 3)
20 Danilo PETRUCCI(ITA/Came IodaRacing Project/IODA-SUTER/02分04秒3/4秒184/0秒073/Session 2)
21 Takumi TAKAHASHI(JPN/HRC Test Team/HONDA/02分04秒3/4秒188/0秒004/Session 3)
22 Karel ABRAHAM(CZE/Cardion AB Motoracing/ART/02分04秒8/4秒666/0秒478/Session 3)
23 Hiroshi AOYAMA(JPN/Avintia Blusens/FTR/02分04秒8/4秒686/0秒02/Session 2)
24 Claudio CORTI(ITA/NGM Mobile Forward Racing/FTR KAWASAKI/02分05秒1/5秒007/0秒321/Session 3)
25 Lukas PESEK(CZE/Came IodaRacing Project/IODA-SUTER/02分05秒3/5秒221/0秒214/Session 3)
26 Yonny HERNANDEZ(COL/Paul Bird Motorsport/ART/02分05秒4/5秒307/0秒086/Session 3)
27 Colin EDWARDS(USA/NGM Mobile Forward Racing/FTR KAWASAKI/02分05秒9/5秒813/0秒506/Session 3)
28 Bryan STARING(AUS/Go & Fun Honda Gresini/FTR-HONDA/02分06秒0/5秒87/0秒057/Session 3)

今季のエンジンスペックを決めるためのテストに集中したペドロサ。こんな気分でサーキットを後にできるなんて・・・というコメントが、好スタートを切れたことを感じさせていました
今季のエンジンスペックを決めるためのテストに集中したペドロサ。こんな気分でサーキットを後にできるなんて・・・というコメントが、好スタートを切れたことを感じさせていました
 ペドロサが3日間連続でトップタイムをマーク。2番手にはロレンソで、これも3日連続。初日、2日目に4番手だったロッシが最終日に3番手へ。2日目まで3番手だったマルケスが4番手へ。2013年を占う今季初の公式テストは、ペドロサとロレンソが予想通りの快走。マルケスとロッシも期待通りの好走となりました。ペドロサとロレンソの強さは相変わらずで、新4強の中でも1歩も2歩もリードしていますが、今年はホンダとヤマハワークスの4人が厳しい戦いを繰り広げることになるのだろうなあと思いました。

 その中でも印象的なのはペドロサでした。4日間でいくつか異なるスペックのエンジンのテストを実施していました。今年からMotoGPクラスのプロトタイプは、使用できるエンジンの数がシーズン6基から5基へと1基削減されます。エンジンの使用数を制限するルールになってから、シーズン最初のテストは、とても重要になっています。というのも、このタイミングでエンジンのスペックを決めなければならず、それが最優先課題となっているからですね。今回のテストでペドロサは、今シーズンのエンジンを選択、次回のテストから車体のセットアップをすることになるようです。つまり、この3日間、一度もタイムアタックしていなかったらしいのですが、それでいて、3日連続のトップタイム。こんなことはこれまで一度もなかったし、昨年後半戦の速さをキープしていることを実感させてくれました。

 ペドロサの走りで、もうひとつ驚かされたのは、最終日にトライしていたエンジンの減速時のサウンドでした。減速時に排気音の変化がまったくない(ぶぉーーーーーーーーーーーーーーーん、と一本調子のまま)独特なもので、シフトダウンしているのだろうか?と思わせるものであり、新しいシステムにトライしていることは間違いありません。これが実戦に投入されれば、加速時に挙動の変化のないといわれるシームレスミッション(いまでは、ドゥカティ、ヤマハも採用しているようです)に続き、大きなアドバンテージになりそうな印象を受けました。

 ルーキーのマルケスは、3日間を通じて、セッティングの変化を感じ取るテストを実施していました。こうしたらこうなるというセットアップの変化の学習をしていたようで、3日目最終日の夕方には、ブリヂストンのグリップの変化を学ぶために、20ラップのロングランを実施していました。そのロングランでマルケスは、2分01秒台で最後まで走り切って、周囲を驚かせていました。

 対して、2年連続タイトルを狙うロレンソをエースに、王者ロッシが復活したヤマハは、それぞれ3台のYZR−M1を用意。2013年シーズンに向けて多くのメニューをこなしていました。今年はロッシがチームメートになったことで、ロレンソのモチベーションは一段とあがっています。予想されるペドロサとのし烈なチャンピオン争いの前に、再び、チームメートになったロッシとの戦いも待ち受けることになり、初日から充実のテストとなり、最終日のロングランでは2分00秒台を連発、速さのペドロサに対して、アベレージの高さを存分にアピールしていました。

 そして、どんな走りを見せてくれるのだろう?と大きな注目を集めたロッシが、周囲の期待に応える走りを見せてくれました。丁寧でスムーズな走りは、ただ、圧巻。2013年型YZR−M1も気に入ったようで、次回のテストではさらに充実の走りを見せてくれるに違いありません。セパンはロッシが得意とするサーキットのひとつであり、ピークのころなら、パッと乗ってライバルに1秒も差をつけたものです。そこまでの強さはないとしても、これから、チームメートのロレンソとペドロサの二人にどこまで迫っていくのか・・・。今年のシーズンを盛り上げるのは、ロッシとマルケスだということを、あらためて痛感する今季初テストになっていたのでありました(次回に続く・・・)。
最終日の午前中、最終コーナーで転倒のマルケス。最終的に4番手へダウンも、最終日には20ラップのロングランをこなし、すべて2分01秒台でしめくくって、みんなをビックリさせていました。すでにというか、もはやというか・・・ルーキーの扱いではないなあーという感じでしたね
最終日の午前中、最終コーナーで転倒のマルケス。最終的に4番手へダウンも、最終日には20ラップのロングランをこなし、すべて2分01秒台でしめくくって、みんなをビックリさせていました。すでにというか、もはやというか・・・ルーキーの扱いではないなあーという感じでしたね