第1137回
WSBに参戦するBMW M1000R。12戦を終えて総合6位につけるマイケル・ファン・デル・マーク。MotoGPマシンのボアが81mmに決められたのは、BMWのエンジンが関係していた?と言われているのです。
WSBに参戦するBMW M1000R。12戦を終えて総合6位につけるマイケル・ファン・デル・マーク。MotoGPマシンのボアが81mmに決められたのは、BMWのエンジンが関係していた?と言われているのです。
 先日、Number Webに「バイクとライダー速いのはどっち?MotoGP新王者クアルタラロが少数派の並列4気筒、ヤマハYZR−M1で勝てたワケ」というタイトルでコラムを書いたのですが、そこで書き切れなかったことがいくつかあり、そのひとつが「MotoGPクラスのエンジンのボア(内径)はなんで最大81mmになったのか?」という疑問でした。こうした技術規則は、バイクメーカーの意見を基にFIMやドルナが参加する「GPコミッション」で決められるのですが、MotoGPのエンジン排気量が800ccから1000ccに変更された2012年に決められた規則が「4気筒以下で最大ボアが81mm」というものでした。

 そのころ、スーパーバイク世界選手権(WSB)では、並列4気筒エンジンを搭載したBMWがチャンピオン争いを繰り広げていました。そのエンジンがボア80mmというショートストロークで、もし、BMWがMotoGPに参戦してきたら、どんなことになるのだろう。WSBと違ってニューマチックバルブが使えるMotoGPとなれば、BMWはボア径を拡大させてもっと回転数を上げてくるのではないか・・・とMotoGPに参戦しているメーカーたちが警戒したのだといわれています。

 そこで80mmだとまるでBMWを標的にした規則に思われてしまうので81mmに落ち着いた。なんといっても2輪も4輪もエンジンには定評あるBMWですからね。BMWがMotoGPに参戦するようになったらさらに開発競争に拍車が掛かるのではないか。そう懸念したMotoGP参戦メーカーが、いまのうちに歯止めを掛けておこうという思惑があったのかも知れません。

 あれから10年近くが経ち、結局、BMWはMotoGPに参戦していませんが、81mmという技術規則はいまも生きていて、この規則は、ある点で並列4気筒勢に有利に働いています。というのも並列4気筒組は、これ以上ボアを広げてエンジン幅を大きくしたくない(全面投影面積などなど)。対してV4勢は、エンジン幅と前面投影面積に関してはまだ余裕があるのでボアを広げてもいいけど規則があってできない。つまり、エンジンのボアに関してV4のポジティブと並列4気筒のネガティブが、それぞれがそれぞれを相殺するという素晴らしい規則になっているという訳であり、WSBもほとんどが80mm前後のボアに落ち着いています。

 思えば、この「81」という数字ですが、海外に出る日本人には、国際電話の日本の国番号なので実になじみがあると思います。その昔、ノリック(阿部典史)がWGP、WSB参戦を終えて2007年に全日本ロードに出場するときに「81」を選びました。「ノリ、なんで81なの?」と聞いたら、「81って日本の番号じゃないですか?だからいいかなと思って」と言っておりました。ノリックはWGPにデビューしたときは「17」をつけ、その後も「17」で戦うシーズンがありましたが、ゼッケンにはあまりこだわりがないライダーでしたね。

 ・・・ということで、81の話が続きましたが、その昔、大人気だったボア「BoA」さんは最近どうしてるんでしょうか?いい歌を歌っていたし、飛び魚、ずいぶんダウンロードしましたよ。