第16回
 先日、群馬県沼田市にあるグラーネライディング倶楽部という牧場で、馬との生活を体験する「週末牧場暮らし」のプログラムに参加する機会を得た。

 馬はどんな生き物なのか? どのようなかかわり方をすればいいのかといった、乗馬も含めたひと通りの馬に対する知識を学んできた。実は、過去にも海外に出かけたときに何度か現地で馬に乗った経験はあるが、今回はあらためて馬について多くのことを知ることになった。

 ここでは子どもを対象にした、馬と牧場の体験プログラムも積極的に行っている。この牧場にはサラブレッド、クオーターホース、ドサンコなどいくつかの種類の馬がいるが、子どもにはドサンコを初期のふれあいの導入に使うそうだ。ドサンコは感情が非常に豊かで、時には強情だったり難しい感情表現をするけど、それが子どもが馬とのかかわり方を学ぶ上で、とても重要なことであるという話だった。

 馬は人間の行動や感情を瞬時に読み取ってしまう動物で、自分からは積極的になついてはこない。けれど、気持ちを通わせるように馬との距離を近づけていくと、次第に言葉では通じない会話が交わせるようになる。心と心が通じ合い、信頼関係が生まれてくると、自然と気持ちが癒やされ優しい気持ちに満たされる。これがいわゆる『ホースセラピー』といわれるものだ。

 馬に触れた時の感触や、ふんやエサとなる牧草のにおいなどとともに馬と一体の生活をすることで、セラピー的な効果が生まれくるのだそうだ。そして馬は環境に優しい生き物だ。牧草をエサにし、そしてふんとなりそれがまた作物の肥料となりまた食物となる。馬とのコミュニケ−ションから始まり、これらすべてを体験することで自然の恵みにも触れることができる。僕も久しぶりに馬と触れ合い、忘れていた何かを思い出すことができた。もう一度モンゴルの大草原を馬で走ってみたくなった。

 このようなプログラムは徐々に全国に広がりつつあるようで、僕が主催している『チャレンジスクール』でも今後このような生き物とのコミュニケーションを図ったプログラムを取り入れていきたいと思っている。(レーシング・ドライバー&冒険家)