ダカールV5男が13年ぶりの挑戦
エープリルフールの“悪ふざけ”が現実に
先月出場したメルズーガラリーでブランクを感じさせない走りを披露する三橋淳(本人提供)
先月出場したメルズーガラリーでブランクを感じさせない走りを披露する三橋淳(本人提供)
 ダカールラリーで5度の市販車クラス王者に輝いた三橋淳(45)が4日、来年1月の次回大会(アルゼンチン、ボリビア)に2輪で挑戦すると発表した。友人が今年のエープリルフールに2輪でのダカール挑戦をフェイスブックに掲載したことが大反響を呼び、KTMジャパンがサポートすることになった。2輪での参戦は03年大会以来、13年ぶり。

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02年に日本人最高12位フィニッシュ

応援してくれた人に感動を

金髪を復活させた三橋(本人提供)
金髪を復活させた三橋(本人提供)
 三橋が新たな戦いに挑む。07年から9年間在籍した中スポ/トーチュウ号の「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)」と今年限りで契約を終了。新たな目標を模索していたところ原点に戻るプロジェクトが自然発生した。

 「エープリルフールに友人のカメラマンが『三橋がKTMからダカール挑戦』とぶち上げたら、ものすごい反響になって」。友人の悪ふざけが関係者の間で話題を呼び、7月からプロジェクトが本格始動することに。「冗談だったのに。KTMジャパンさんも、現地で受け入れるチームも自分に良くしてくれて。請われて乗るのはいいこと」。気が付いたら13年ぶりの2輪挑戦が決まっていた。

 もともとは2輪の選手。02年のダカールでは2輪の日本人史上最高位となる12位を記録している。ただし、03年途中に4輪へ転向してから一度も2輪競技に参加していない。さすがにダカールラリーの主催団体もすんなり参戦を認めず、指定ラリーでの完走を条件に挙げた。出場したのは10月上旬にモロッコで開かれた「メルズーガラリー」。そこで総合14位に食い込んだ。100台を優に超える出場者の中で存在感を見せた。

 「目だけは良いが、さすがに体がついてこない。(ダカールラリーでの)上位入賞はさすがに厳しい。ブランクや年齢、そして選手層の厚さもあるから。目標は完走。それと応援してくれた人を感動させたい」。ダカールラリーが南米に移った09年から2輪で日本人の完走者は出ていない。目標を達成できれば、日本人初の快挙となる。

 2輪雑誌の記者から選手となり、日産自動車の若手育成プログラムに抜てきされて4輪に転向。移籍したTLCで5度の市販車王者に輝いた。十分過ぎる結果を残してきたが、降って湧いたチャンスで忘れていたことを思い出した。

 「(TLCで)あのまま走れば何勝かできたと思うが、先は見えていた。でも今は違う。また2輪で出るなんて、思ってもいないことが実現した。多くの人との出会いもあり、何かが開けたような気分」。2輪時代のような金髪に戻し、若返った三橋の言葉が弾んだ。 (田村尚之)

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 ▼三橋淳(みつはし・じゅん) 1970(昭和45)年7月2日生まれ。東京都出身の45歳。2輪雑誌記者をしながら自費で2輪の国内競技に参加。2001年にホンダのサポートでダカールラリーに初挑戦し21位。02年に日本人最高位の12位を獲得した。03年は16位。04年から4輪で出場。07年にTLCに移籍し市販車クラスを初制覇。前回大会までに5回の市販車王者を獲得。ダカール出場は2輪を含めて14回。

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KTMがサポート

参戦資金も募集中

 ○…三橋はKTMのセミワークスチーム「オルレン」(本拠地ポーランド)から出場し、車両はファクトリー車両の市販版「KTM450ラリー・レプリカ」。今月中旬から10日間、スペイン・バルセロナ近郊でトレーニングをする。KTMジャパンなどが中心になり、インターネット上で参戦資金を募るクラウドファンディングも実施中。目標金額は700万円。