ライバルに先駆けデビュー
バルセロナ合同テスト第2日
ライバルに先駆けて登場したトヨタTF106(カメラ=G・キャンベル)
ライバルに先駆けて登場したトヨタTF106(カメラ=G・キャンベル)
 【カタロニア・サーキット(スペイン)ニキ・タケダ】トヨタが29日、当地で行われているオフ・シーズンの合同テスト解禁早々(第2日)、いきなり来季用マシン「TF106」をシェークダウンした。他チームが今季用マシンに来季用V8型の2.4リットル・エンジンを搭載する暫定仕様でテストに挑む中、大きなアドバンテージとなるのは間違いない。今季はF1参戦4年目にしてコンストラクターズ4位を獲得するなど大躍進を果たしたが、節目となる5年目は念願の初V奪取はもちろん、チャンピオン争いに加わる期待が一気に高まってきた。

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 抜けるような青空が広がるカタロニア・サーキットだが、気温は0度、過酷な条件の中でトヨタが06年シーズンへの意味ある第一歩を記した。新車「TF106」のステアリングを握ったのはJ・トゥルーリ。テスト開始時間の午前9時すぎ、勢いよくコースへ繰り出した。

 路面に霜が降りていたため、まずは様子見の走行で3周ほどでピットイン。20〜30分ほどマシン各部のチェックをしたあと、再びコースイン。その後も3〜4周の小刻みな周回を重ね、午前中までに15周余りを走り込んだ。

 が、トヨタ陣営は厳重なガードを敷く。ガレージのシャッター前には1.80mもの布製の仕切り板が設置され、作業をするガレージの中をのぞくことはできない。いち早く新車のシェークダウンをする情報を察知したカメラマンも、ガレージ内の作業風景を写すことができず、苦虫をかみつぶしたような顔がピット・レーンに並んでいた。

 テクニカル・ディレクターのM・ガスコインもピットに陣取り、珍しく陣頭指揮。前日に発表したチーム・リリースでは「TF106は新しいV8エンジンに合わせ、全く新しい後部デザインとモノコック、そして今年のTF105Bのフロント・サスペンション形式を組み合わせた」と解説。サーキットを走る新車の姿は今季型マシンとの識別が難しいものの、その中身は大きな進化を遂げているようだ。

 また、開幕(06年3月)の3カ月前に新車をデビューさせるということは、シーズンインまでに大幅な進化を予定していることを意味する。「初テストは開発の第一段階」とガスコインTDも語っており、今季前のオフ・テストで行ったように新車で走り込み、そこで得たデータを使って本番用の車両パッケージを開発する手法を取るつもりだ。

 来季こそF1の頂点奪取を目指すトヨタ。ライバルに対して一歩も二歩も先を行く最高の06年スタートを切った。

 〇…トヨタの正式な新車発表会は来年1月14日の予定。シェークダウンから1カ月半も先のため、この日の姿から大変更も考えられるとか。「十分変わっている可能性はあるよ」とチーム関係者。新車デビューながら、何となく「暫定」という言葉をつけたくなる感じだ。

 〇…合同テスト2日目にはトヨタのほか、マクラーレン(G・パフェット&A・ブルツ)、ウィリアムズ(N・ロズベルグ)、レッドブル(C・クリエン&R・ドールンボス)、BMWザウバー(N・ハイドフェルト)とトロロッソ(午前中は未走行)の計6チームが参加した。3日目からはホンダとルノーが加わる予定。ホンダのマシンは今季のBARがベースとなるが、“オール・ホンダ”としては初のセッションだけに注目だ。