タイセン氏は「ただの友人」
チャンピオンの夢も諦めない
うわさなんか聞こえない? 周囲の雑音をシャットアウトするラルフ(カメラ=神代雅夫)
うわさなんか聞こえない? 周囲の雑音をシャットアウトするラルフ(カメラ=神代雅夫)
 BMWモータースポーツの重役マリオ・タイセンと元ウィリアムズBMWのドライバーのラルフ・シューマッハー(トヨタ)の間柄はとても良好だ。そしてそれが、タイセンがラルフを自分のところに引き戻そうとしているといううわさにつながったようだ。

 N・ハイドフェルトは2008年までBMWザウバーとの契約があり、R・クビサは成長中のスターである。与えられた柱を離すなんてことはむしろばからしいことだ。これは若いテスト・ドライバーのS・フェッテルにも同じことが言える。手元に才能あるドライバーがいるのに、彼の兄には敵わないと何度も証明されているドライバーを必要とするのだろうか。

 ラルフ自身もうわさを否定した。「僕とマリオは頻繁に会って話したり、一緒にビールを飲んだりするのは本当だ。でもマリオはただの友人なんだ。僕たちがBMWのうわさについて話したことは決してないよ」

 ラルフは世界チャンピオンになるという彼の夢をまだあきらめていない。「僕はこれで10年F1にいるが、その夢は今でも自分の目標なんだ。僕はまだ31歳で、40歳まで続けている自分自身が想像つくよ」

 兄のミハエルの引退についても語っている。

 「兄弟として彼が去ってしまうのは悲しい。レース・ドライバーとしては、僕自身は何も変わらないと言うしかない。彼はF1は誰か1人に頼ることができないスポーツだということを証明した。グランプリ・モーターレーシングは移り変わりが激しいスポーツで、人々はとても早く忘れてしまう。それはミハエルにも当てはまることになるだろう」

 これからは自分の時代が来るというサインかもしれない。(M・ブルナー)