BMWザウバーに飛躍の予感〜アグリは専用マシン投入
バルセロナ合同テスト第1日
マクラーレンをドライブしたハミルトン。走りにもウキウキとした様子がくっきりだ(カメラ=G・キャンベル)
マクラーレンをドライブしたハミルトン。走りにもウキウキとした様子がくっきりだ(カメラ=G・キャンベル)
 【バルセロナ(スペイン)ニキ・タケダ】今オフ・シーズン初の合同テストが28日、当地でついに始まった。参加したのは9チーム16台。来季からワン・メークとなる新しいブリヂストン(BS)タイヤの習熟が大きなテーマだ。注目を集めたのはマクラーレンから待望のF1デビューが決まったばかりのルイス・ハミルトン(21)。63周を無難に走って6番手タイムの滑り出しだ。ホンダからの車両データをもとに新たに造ったテスト・マシンで挑んだスーパーアグリはアンソニー・デビッドソン(27)が精力的に93周も走り込んで11番手だった。

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 晴れて来季のF1デビューが決まって挑む初めてのF1テスト。マクラーレンのマシンに乗り込んだハミルトンはヘルメット越しにも上機嫌がうかがえる。「最高のチャンスを生かしたい。ただそれだけ。あ、それからアロンソからたくさんのものを吸収したいね」。取り囲まれた報道陣にそうきっぱり。やる気に満ちているのだ。

 今シーズン半ばから来季のレギュラー昇格は内定状態だったが、正式に決まったのは発表の直前だったという。「ジムでトレーニングをしていたらロン(デニス代表)に呼ばれ、彼の家で知らされたんだ。平静な顔を装うのが大変だったね。心の中では『ヤッタ!』って叫んでいたよ。F1では何が起こるか分からないからね」。初々しさを存分にみせながら、感激の瞬間を明かした。

 この日はブリヂストン・タイヤの習熟はもちろん、エンジンやサスペンションの新しいパーツのプログラムもたっぷり。10年ぶりに未勝利に終わったチームは、その雪辱に燃える来季に向けて精力的なスタートを切った。

 30日には元王者のM・ハッキネンが古巣の低迷を見かねてマシンに乗り込む予定になっている。復権を目指すマクラーレンが明るいムードに包まれていた。

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 2年目に大きな飛躍を狙うスーパーアグリは新しいマシンを持ち込んだ。ホンダの今季仕様マシンRA106ではなく、ホンダから提供されたデータをもとに外部の会社が製作したテスト専用マシンという。これで来年1月までみっちり走り込んでデータを蓄積、来季用マシンをつくる予定なのだ。

 「去年のような出遅れはない。(新車は)2月上旬には走れると思う。うちのデザイン・チームが外部からの助けを借りて造る予定だ」とマネジング・ディレクターのD・オーデット。参戦表明からたった4カ月でF1参戦にこぎ着けた神業の代償としてマシン的に苦しんだ今季の轍(てつ)は踏まない覚悟のようだ。

 この日、テスト用マシンに乗り込んだのは来季の正ドライバーとなった元ホンダのテスト・ドライバー、デビッドソン。「チームの周りにいる人たちの“色”は違うが、知っている顔も多いし、違和感はまるでない」。ユニホームこそ違うがホンダのスタッフも数多くアグリのピットで働いており、すんなりと新しいチームに溶け込めたようだ。

 〇…ついに解禁となった今オフの合同テストだが、多くのチームがBSのワン・メーク用タイヤへの対応を大きなテーマに掲げる中、BMWザウバーは新しいシームレス・ギア・ボックスを持ち込んだ。「シフト・チェンジがすごく速くなった。テストでたっぷり走り込み耐久性を確認したい」とひげ面で登場したN・ハイドフェルト。62周を走って4番手タイムを記録しており、来季のBMWはさらなる躍進を果たしそうな雰囲気だ。

 〇…ホンダはJ・バトンがトレーニング中の負傷で“見学”となり、R・バリチェロとJ・ロシターが走行して5&8番手スタート。もちろんメーン・プログラムはBSタイヤだ。「悪くないよ。温まり方もまずまずだし、あとはこのタイヤを僕らがどう生かせるかだろう」とバリチェロ。新しいタイヤをいち早く使いこなしたチームが来季の主導権を握ることをにおわせていた。

 〇…ルノーも初の7速仕様ギア・ボックスを持ち込み、データ取りと耐久性の確認作業を行った。担当したN・ピケJrとH・コバライネンはともに93周を走り込む精力的な仕事ぶり。ベスト・タイムはトップから1.5秒も離されたが、今は速さより距離の方が大切のようだ。

     <バルセロナ合同テスト第1日>(路面:ドライ)
 順   ドライバー(チーム)         タイム     周
 1 F・マッサ(フェラーリ)       1分17秒160 52
 2 P・デ・ラ・ロサ(マクラーレン)   1分17秒455 68
 3 L・バドエル(フェラーリ)      1分17秒555 74
 4 N・ハイドフェルト(BMWザウバー) 1分17秒651 62 
 5 R・バリチェロ(ホンダ)       1分17秒932 82
 6 L・ハミルトン(マクラーレン)    1分18秒239 63
 7 R・クビサ(BMWザウバー)     1分18秒519 46
 8 J・ロシター(ホンダ)        1分18秒678 85
 9 A・ブルツ(ウィリアムズ)※     1分18秒691 94
10 N・ピケJr(ルノー)        1分18秒852 93
11 A・デビッドソン(アグリ・ホンダ)* 1分19秒112 93
12 H・コバライネン(ルノー)      1分19秒187 93
13 V・リウッツィ(トロロッソ)     1分19秒216 78
14 S・スピード(トロロッソ)      1分19秒380 66
15 M・ウェーバー(レッドブル)     1分19秒439 45
16 D・クルサード(レッドブル)     1分19秒692 75  
 ※=トヨタ・エンジン搭載。*=テスト車両