チーム首脳陣も高評価
ヘレス合同テスト第1日(1)
最多の114ラップをこなした可夢偉。第3ドライバーの仕事を“満喫”だ(資料)
最多の114ラップをこなした可夢偉。第3ドライバーの仕事を“満喫”だ(資料)
 【へレス・サーキット(スペイン)ニキ・タケダ】年内最後の合同テストが4日、当地で開幕。トヨタの第3ドライバーの座を得てから初めての合同テストに参加した小林可夢偉(21)がいきなり精力的に走り込んだ。ベスト・タイムはブービーの19番手ながら参加20選手でダントツの114周も走り込み、自らの慣熟、そして、与えられたプログラムを完ぺきにこなす最高のスタートを切った。

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 まるで滅私奉公のような第3ドライバーの初日だった。およそ1年ぶりにF1合同テストに参加した可夢偉だが、いきなり100周オーバーの走り込みを実施。久々のF1の感触をつかむことに始まり、新しい電気系統のシステム・チェック、マシン後部のセットアップと働きまくった。

 「これだけ走ったのも久しぶりですね。それに相当しゃべりました。いつもはそんなにしゃべる方じゃないので、途中で頭の中が何だか分からなくなるような状況で」。いきなり開発ドライバーの“洗礼”を受けた可夢偉はさすがにお疲れモード。体力的には問題はなかったが、情報交換のためのディスカッションが多く、目の回る1日だったようだ。

 第3ドライバーの契約は来年1月から。正確に表現すればまだ仕事始めにはならないというが、今年最後のF1合同テストの第1日からこんな走り込みを課せられるのは、すでに職務開始の証し。「カムイはミスなく素晴らしい仕事をこなしてくれた。データも収集してくれたが、印象的な多くの周回をこなし、順応性の高さを示してくれた」とシャーシ部門シニア・ゼネラル・マネジャーのP・バセロンも高い評価を下した。

 「今日の目的はロング・ランとディファレンシャル。セッティングはバランスを簡単に取った程度でした。トラクション・コントロール(TC)がないのも僕にとれば自然で、ある方が違和感を覚えます。タイヤも問題ありませんでした。タイムは速くないですが、今は無理せずちゃんとデータを渡さなければと思っているので。プログラムをきっちりこなせて良かった」と可夢偉。

 トヨタの秘蔵っ子として確実に階段を上り、第3ドライバーながらついにF1の世界まで上がってきた。今は与えられた仕事を全うすることに全力をつぎ込む覚悟だが、大きな夢実現への視界は良好だ。

      [ヘレス合同テスト第1日](路面:ドライ)
 順    ドライバー(チーム)         タイム     周
 1 N・ハイドフェルト(BMWザウバー) 1分19秒042*  78
 2 J・バトン(ホンダ)         1分19秒155*  70
 3 P・デ・ラ・ロサ(マクラーレン)   1分19秒712   48
 4 K・ライコネン(フェラーリ)     1分20秒083   78
 5 N・ピケJr(ルノー)        1分20秒366   67
 6 S・ブルデー(トロロッソ)      1分20秒615  101
 7 G・パフェット(マクラーレン)    1分20秒638   50
 8 M・ウェーバー(レッドブル)     1分20秒682   69
 9 M・ジェネ(フェラーリ)       1分20秒832   67
10 M・コンウェイ(スーパーアグリ)   1分20秒927   88
11 S・フェテル(トロロッソ)      1分21秒086   46
12 J・ロシター(スーパーアグリ)    1分21秒246*  75
13 T・グロック(トヨタ)        1分21秒336   69
14 G・フィジケラ(フォース・インディア)1分21秒424   53
15 N・ヒュルケンベルグ(ウィリアムズ) 1分21秒556   28
16 F・モンタニ(フォース・インディア) 1分21秒559   65
17 中嶋一貴(ウィリアムズ)       1分21秒586   33
18 M・アスマー(BMWザウバー)    1分21秒962   57
19 小林可夢偉(トヨタ)         1分22秒186  114
20 J・ビラ(BMWザウバー)      1分23秒583   53
 *=スリック・タイヤ装着時のタイム