ロズベルグに執心の代表〜ウィトマーシュCEOは内部昇格主張
バトン獲得案も再浮上
08年の相棒がいまだ決まらないハミルトン(AP)
08年の相棒がいまだ決まらないハミルトン(AP)
 【バルセロナ(スペイン)ニキ・タケダ】今季限りでマクラーレンから離脱したフェルナンド・アロンソ(26)の後釜をめぐり、チーム首脳の意見が対立。各チームのドライバーをも巻き込んだ騒動に発展している。ロン・デニス代表(60)はウィリアムズのニコ・ロズベルグ(22)の獲得に固執しているが、マーティン・ウィトマーシュCEO(49)はテスト・ドライバーを務めるペドロ・デ・ラ・ロサ(36)の昇格起用を主張。双方の見解がぶつかり合う中、ホンダのジェンソン・バトン(27)の移籍話も再浮上だ。

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 アロンソがたった1年でチーム離脱を決めたことで、ぽっかりと空いたマクラーレンのシート。新人ながらわずか1ポイント差と激しいタイトル争いを演じたルイス・ハミルトンの同僚を誰にするかで、首脳陣の意見が真っ向から対立している。

 ロン・デニス代表が推しているのは、ウィリアムズで昨年のランク17位から9位に躍進したニコ・ロズベルグ。速さはすでに実証済みで、その若さも魅力。だが、ウィリアムズの関係者は「ニコは来年のウチのクルマをあまりにも知りすぎている。いくら何でもこの時期に至って移籍することはない」と否定した。元F1王者で父のケケも今季失態続きだったマクラーレンへの移籍には反対。9日からは来季から正ドライバー昇格の中嶋一貴とともにスペイン入りし、スポンサー活動に従事していることからも、マクラーレン入りの可能性は限りなくゼロに近い。

 ほかにルノーのヘイキ・コバライネン獲得という選択肢もあるにはあるが、デニス代表はその実力を買っておらず、相変わらずニコにご執心。そんな同代表の姿勢を疑問視しているのが、マーティン・ウィトマーシュCEO。今季、アロンソとハミルトンの仲たがいで右往左往させられた現場の意向をくみ、現テスト・ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサ、もしくはゲーリー・パフェットの内部昇格で十分だとしているのだ。

 とりわけスペイン人のデ・ラ・ロサなら、アロンソ離脱後もスペインのスポンサーを引き留める効果がある。

 しかし、双方の意見の溝は埋まらず、現在も手詰まり状態が続いている。そんな中で再燃しているのがホンダのジェンソン・バトンの獲得だ。

 以前から移籍が取りざたされているバトンはへレスでのテストを終えた6日、マクラーレンのファクトリーを訪問したとの目撃情報が欧州内を駆けめぐっている。ホンダは今オフ、優勝請負人のロス・ブラウンをチーム代表に招聘(しょうへい)したものの、来季いきなり勝てるクルマを用意するのはさすがに無理。

 バトンは来年末に契約を見直せるオプション条項を持っており、英国メディアに「来年勝てるクルマになっていなければ09年以降は考えなければならない」と語っており、マクラーレンから複数年契約を提示されれば、ホンダ離脱を決断してもおかしくはない。

 いずれにせよ、アロンソの急な離脱でマクラーレンの内部は大混乱。ハミルトンとの確執で修羅場を演じたシーズン中と同様、アロンソが去った後もドタバタ劇が続くとは何とも皮肉だ。