11年はレッドブル入り濃厚
シトロエン・ジュニア・チームと1年契約
WRC第9戦フィンランド・ラリーに参戦したライコネン。いかにも楽しそうだった(カメラ=M・ホームズ)
WRC第9戦フィンランド・ラリーに参戦したライコネン。いかにも楽しそうだった(カメラ=M・ホームズ)
 シトロエン・レーシングは4日、2007年のF1王者、キミ・ライコネン(30)が同陣営から2010年の世界ラリー選手権(WRC)に参戦すると発表した。所属するのはレッドブルがサポートする「シトロエン・ジュニア・チーム」。総合優勝争いが期待されるC4・WRCに乗り込むという。契約は1年。ライコネンは契約が残っていたフェラーリを放出されて“有給休暇”となる1年間を、大好きなラリーざんまいで過ごすことを決めた。F1王者のWRCフル参戦は史上初だ。

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 さまよえるライコネンはうわさ通り、宙に浮いた1年をWRCで過ごすことを選んだ。「ずっとラリーに出たかったんだ。特にWRCは僕のキャリアで大きな意味を持つ。レッドブルのおかげでシリーズでもっとも素晴らしいシトロエンC4をドライブすることになった」と、シトロエンから発表されたリリースにコメント。念願かなって、ドライバーズ6連覇、マニュファクチャラーズ2連覇中のC4で挑む10年シーズンにやる気をみせた。

 F・アロンソの加入で3年間在籍した跳ね馬のシートを失ったが、古巣マクラーレンへの復帰は既定事実のような状況だった。が、条件面で折り合わず、その座を09年王者のJ・バトンにさらわれ、10年はF1休養宣言。サラリーは契約をほごにしたフェラーリから20億円近いという“違約金”が支払われることになっており、事実上の有給休暇。大好きなラリーで、暇な時間をつぶすことにしたのだろう。

 ライコネンはT・マキネンやJ・カンクネンら多くのWRC王者を輩出したフィンランド出身。ラリーが好きだという言葉にうそはない。09年もF1を戦いながら、フィアット・グランデプントのS2000車両に乗り込み、第9戦フィンランド・ラリーでWRCデビュー。結果はDAY2にクラッシュしてリタイアしたが、初挑戦にもかかわらずクラス上位陣と互角以上の速さをみせ、その快走がジュニア・チームながら、WRC王者のシトロエン入りを果たすことにつながったのだ。

 「来年は新しく、しかもとても刺激的な環境になりそう。まずは1年契約だが、その先はおいおい考えたい。とにかく早くテストをやって、開幕戦に挑みたい」とライコネン。マキネンのコ・ドライバーを務めたK・リンドストロームとのコンビで挑む10年シーズンを見据え、胸躍らせるコメントでそう締めくくった。

 ○…WRC挑戦を決断したライコネンだが、11年シーズンは未定。うわさ通り、M・ウェーバーの契約が完了するF1のレッドブル入りが有力視される。今回のシトロエン入りも、同チームの大スポンサー、レッドブルの意向が色濃く反映された結果のようす。シトロエン・レーシングを率いるO・ケネル氏は「ライコネンを迎え入れられたことは大きな喜び。シトロエンを選んでくれて誇りに思う」とコメントしたが、レッドブルへの賛辞で始まった声明の最後に、とってつけた響きがあった。