ウェーバー「記録が破られないように頑張ったけど」
最終第19戦ブラジルGP第2日
自らの指で“15”をアピール。最多PP記録を更新したベッテル(AP)
自らの指で“15”をアピール。最多PP記録を更新したベッテル(AP)
 【インテルラゴス・サーキット(ブラジル)今宮純、L・バスコンセロス、S・ナシメント】2011年F1最終第19戦ブラジルGPは26日、当地で予選を行い、史上最年少でタイトル2連覇を決めているセバスチャン・ベッテル(24)=レッドブル=がまた一つ大きな勲章を手に入れた。予選Q3でトップ・タイムをたたき出し、今季15回目(通算30回目)のポールポジション(PP)を獲得、1992年にナイジェル・マンセル氏が達成したF1の年間最多PP記録「14」を塗り替え、新記録を樹立した。同僚のマーク・ウェーバー(35)も2番手に食い込み、レッドブル勢は今季6回目のフロントロー独占。小林可夢偉(25)=ザウバー=はペースが上がらず、16番手でQ3進出はならなかった。

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 Q3最初のアタックで1分12秒268をたたき出し、暫定首位に躍り出たベッテルは、最終アタックでさらにタイムを更新。ただ1人1分11秒台に入れて今季15回目のPPを奪取、マンセル氏と並んでいた年間最多PP記録を塗り替えた。

 「先にコントロールラインを通過したのは僕だったから、そこからライバルの結果を知るまでの数秒間がとてつもなく長く感じた。僕のエンジニアから“バトンは2番手だ”、“その後のウェーバーも2番手だ”と聞いた瞬間はスペシャルな気分だったね。これまでに獲得したどのPPとも全く違う気分だよ」とベッテルはガッツポーズ。コンマ1秒届かなかった同僚ウェーバーも「マンセルさんの記録が破られないように手助けしようと頑張ったが、僅差で勝てなかった。今日はセバスチャンの走りが素晴らしすぎた」と白旗を掲げるパーフェクト・アタックだった。

 マンセル氏の時代は年間16戦しかなく、年19戦でマークしたベッテルの記録とは単純に比較できない。もちろんベッテル自身も「大先輩のナイジェル・マンセルさんは僕よりも数戦少ない中で達成している」とそのこと自体は理解しているが、それでも「僕にとってはとてもスペシャルなことだ」としんみり。その理由は、条件の違うサーキットでPPを奪い続ける難しさを誰よりも知っているからだ。「今年でいえば19カ所のサーキット全てでコンディションが異なるし、時にはクルマの感触がハッピーでない場合もある。それでも自分にできる限りのことを全てやり、出し切った結果がPPというかたちで報われるんだ」。引け目を感じることなく、新記録達成を素直に喜んだ。

 通算PPもこれで単独6位になったが、ベッテルは「年間最多PP記録を更新できたのはラッキーだったが、数字とか記録を思い描いてレースに臨んだことは一度もない。チェッカーを受ける前に興味があるのは、そのレースで勝つか負けるかだけ。それは来年以降も変わらないよ」とさらり。さらなる記録更新へのこだわりはないようだが、年齢はまだ24歳、脂が乗るのはまさにこれから。来季のターゲットは過去に2人(J・M・ファンジオとM・シューマッハー)しか達成していないタイトル3連覇、そしてM・シューマッハーが04年に打ち立てた年間最多勝利数「13」の更新だ。

 [年間PP獲得数]
 回 ドライバー(年/在籍チーム)
15 S・ベッテル(11/レッドブル)
14 N・マンセル(92/ウィリアムズ)
13 A・セナ(88/マクラーレン、89/マクラーレン)
13 A・プロスト(93/ウィリアムズ)
11 M・ハッキネン(99/マクラーレン)
11 M・シューマッハー(01/フェラーリ)
最終戦でも手抜きナシ。最速ぶりをまたしても見せつけたベッテル(カメラ=松本浩明)
最終戦でも手抜きナシ。最速ぶりをまたしても見せつけたベッテル(カメラ=松本浩明)