コンストラクター7位守る9位入賞
最終第19戦ブラジルGP決勝
「どうだ!」と言わんばかりに笑顔でピットに帰る小林可夢偉(カメラ=北川さき)
「どうだ!」と言わんばかりに笑顔でピットに帰る小林可夢偉(カメラ=北川さき)
 【インテルラゴス・サーキット(ブラジル)今宮純、L・バスコンセロス、S・ナシメント】2011年F1最終戦第19戦ブラジルGPは27日、当地で決勝を行い、16番グリッドから好スタートを決めた小林可夢偉(25)=ザウバー=が、力強いレース運びで9位に食い込み、今季9回目の入賞で1年を締めくくった。この奮闘でチームもコンストラクターズ7位を獲得。優勝はマーク・ウェーバー(35)で待望の今季初勝利、新記録15回目のポールから逃げたセバスチャン・ベッテル(24)はギア・ボックス・トラブルで2位ながら、レッドブルが今季3回目のワンツー締め。3位はジェンソン・バトン(31)=マクラーレン=が逆転でゲットした。

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 後方からスタートの不利などものともせず、小林可夢偉は明晰(めいせき)な頭脳と類いまれなドライビング・テクニックで前方のライバルを次々とパッシング。9位フィニッシュで今季最終戦を飾った。

 しかも可夢偉が2ポイントを持ち帰ったことにより、ザウバーは追いすがるトロロッソを振り切り、分配金の額にもかかわってくるコンストラクターズ争い7位の座を防衛。エースとしての役目をきっちりと果たし、可夢偉も「そうですね、チームの仕事がきちんとできて良かったです」とはにかんだ。

 “絶対にトロロッソの前でゴールする”という強い気持ちは、スタート直後の果敢なアタックに表れていた。

 1コーナーまでに眼下の敵のJ・アルグエルスアリ(トロロッソ)、さらにR・バリチェロ(ウィリアムズ)を限界ぎりぎりのオーバーテークで抜き去り、1周目でまずは14番手に浮上。その後も性能劣化が激しく、扱いの難しいソフト・タイヤを優しく、上手にマネジメントし、安定したラップタイムを刻み続け、順調にポジションを上げた。

 一方で1回目のタイヤ交換の際には、隣のピットのアルグエルスアリも同時ピット・イン。接触によって後でペナルティーを受けることのないよう2、3秒余計に停止する不利もあったが、そんな不運をも乗り越えて貴重な2ポイントをゲットだ。

 「スタートは会心というほどじゃないけど、結構リスクを背負って抜きにいって、それがうまくいきました。ぎりぎり接触するかもって感じでしたけど。それからはどちらかというと慎重に前のクルマについていきました。このサーキットはかなりタイヤに厳しいですから」とさらり。硬軟取り混ぜた走行でライバルを葬り去った。

 今季はルールの解釈変更などでチームがディフューザーの開発をやめ、クルマの戦闘力が低迷。後半は入賞できないレースが続いた。

 「デビュー2年目の今季は責任も増して、やりがいがあると同時につらい立場でもありました。それでもチームのみんなが僕を信頼してくれて、僕も成果を挙げることができた。今年は途中で突然ルールが変わったりして、それが僕らの不利に働いたわけですけど、来年は安定した成績を出し続けたいですね」

 チームを引っ張る重圧と闘い続けた今季もこれで終わり、2月の合同テストまで長いオフに入るが、可夢偉は「ゆっくり休暇? いえいえ、仕事しますよ。明日から1週間は休みますが」ときっぱり。エース2年目として迎える来季を早くも見すえていた。