元王者をバッサリ&新王者はアゲアゲ
2012年FIA表彰式
F1で3年連続の2冠を達成したベッテルとレッドブルを称える表彰式。(左から)ジャン・トッドFIA会長、ベッテル、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、バーニー・エクレストン氏、インタビュアーのデビッド・クルサード氏(FIA提供)
F1で3年連続の2冠を達成したベッテルとレッドブルを称える表彰式。(左から)ジャン・トッドFIA会長、ベッテル、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、バーニー・エクレストン氏、インタビュアーのデビッド・クルサード氏(FIA提供)
 F1界のボスとも表現されるF1管理会社(FOM)のバーニー・エクレストン代表(82)が7日、F1公式サイトで2012年のF1を振り返った。2度目の引退を表明したミハエル・シューマッハー(43)の復帰に疑問を呈し、史上最年少でドライバーズタイトルを3連覇したセバスチャン・ベッテル(25)=レッドブル=を時代を象徴する存在と持ち上げた。さらに自身についてはこれからもF1界のために心血を注ぐ覚悟で引退とは無縁と言い切った。

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過去の人、「必要だったと思っていない」

今季F1でランキング2位に奮闘したアロンソは、ロシア人モデルの恋人、ダーシャ・カプスティーナを伴って登場。王者じゃなくても視線を集めていた(FIA提供)
今季F1でランキング2位に奮闘したアロンソは、ロシア人モデルの恋人、ダーシャ・カプスティーナを伴って登場。王者じゃなくても視線を集めていた(FIA提供)
 以前に比べれば、その影響力は影を潜めた感もあるが、F1におけるエクレストン氏の存在感は今でも圧倒的だ。F1の商業権を一手に握っているだけでなく、大きな出来事が起きるたびに、進むべき道をかじ取りしている感じ。そんな“ボス”はまず、2度目の引退を選択した歴史的王者に言及した。

 「正直なところ、F1にとってシューミー(M・シューマッハー)は絶対に必要だったとは思っていない。彼はレースを楽しみ、F1が良くなることを手伝ってくれた。この3年間で勝てなかったが、今でも人気はある。いなくなったのは寂しいがね」と、独特な言い回しで再び過去の人となったシューを評した。

 10年に4年ぶりの復帰を決めた時にはもろ手を挙げて歓迎した。が、メルセデスの車両に戦闘力がなかったことも影響し、結局未勝利、たった1回の表彰台(12年欧州GP)にとどまった。「今やめるのでなく、7回の王者としてやめてほしかった。新しくこのスポーツ(F1)を好きになった人は、今の彼を思い出すだろう。7度の王者になったヒーローとしてでなく、間違いを犯す人間としてね」とさらり。結果的に偉大な足跡を汚したと皮肉った。

時代象徴、「彼はいい!! 現在の物差しだ」

復帰1年目でランキング3位と健闘したライコネンは相変わらずの“アイスマン”ぶりだ(FIA提供)
復帰1年目でランキング3位と健闘したライコネンは相変わらずの“アイスマン”ぶりだ(FIA提供)
 一方、世代交代を強く印象づけたベッテルについては「彼はいいよ。成長を続けているし、とても自信を持っている。まあ来年もしっかり見守りたいがね」とエクレストン氏は持ち上げるが、シューが記録した“7度”を超えられるかどうかは首をかしげた。「難しいんじゃないかな。まだ半分にも届いてない。どれだけいいチームに在籍でき、どれだけ他がダメだということもかかわってくる」と、25歳にしてV3を達成した英雄を冷静に分析する。

 「セバスチャンは現在の物差しなんだよ。思い出してごらん。彼の表彰台(アブダビGP)での発言を。その昔は“F”で始まる言葉なんて日常茶飯事だったが、今では大きな問題になってしまう。時代は変化している」と同氏。カリスマ性が薄いといわれるベッテルを、そう擁護した。

帝国安泰

 「今のF1はとてもポジティブな状況にある。今季もフェラーリの戦闘力のなさに多少驚かされ、マクラーレンの信頼性のなさにも驚かされた。が、結果的にテレビを見ていた人には楽しかっただろうし、一般的な評価は素晴らしかったと思うよ」ときっぱり。自ら築いた“F1帝国”は安泰だと言いたげだった。

自身の将来は◎

「引退なんて考えていない」

 ○…シューの引退には当然だという姿勢をみせたエクレストン氏だが、82歳となった自身の将来には太鼓判を押す。「まだまだビジネスでやることがたくさんある。時間が足りないぐらいで、引退なんて考えたこともない」ときっぱり。テキサス州オースティンで5年ぶりに復活させたアメリカGPが大成功したこともあり「次はロシアが待っている。それにニューヨーク(ニュージャージーGP=14年以降に延期)だって何とかしないといけないね」と新規開拓にやる気満々だ。