エクレストン氏「いなくてもやっていける」
新役員ウルフ氏うわさ否定も“ボス”が火に油
解雇のうわさが絶えないブラウン代表(AP)
解雇のうわさが絶えないブラウン代表(AP)
 メルセデスF1がチーム代表のロス・ブラウン氏(58)を解雇する、といううわさに拍車がかかっている。先月21日にメルセデスF1の執行役員になったばかりのトト・ウルフ氏(41)は更迭説を否定しているが、F1界のボスといわれるバーニー・エクレストン氏(82)は「ブラウンがいなくてもメルセデスはやっていけるだろう」とチーム代表の交代を示唆。4日の新車発表を前に、またきな臭い話題がメディアを騒がせている。

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 ブラウン代表のポジションが脅かされ始めたとささやかれるきっかけは、1月21日に発表されたウルフ氏の執行役員就任だった。ウィリアムズF1の第2株主でもあるウルフ氏が突然、メルセデスF1の株式30%を取得。チームの会長として株式10%を手に入れた元F1王者N・ラウダ氏とともに、新役員として乗り込んできたからだ。

 この動きに呼応するように、元F1チームオーナーのE・ジョーダン氏が「マクラーレンでテクニカルディレクター(TD)を務めるパディ・ロウが新たにメルセデスに加わり、ブラウン代表とフライCEOがチームから追い出されることになる。代わりにウルフ氏がチーム代表として全権を握るシナリオだ」と22日付の英BBC放送(電子版)で語った。

 ジョーダン氏は過去に2010年のM・シューマッハー現役復帰、ハミルトンの電撃移籍とメルセデスのビッグニュースを2つも的中させているだけに、欧州メディアは大騒ぎ。さすがにウルフ氏も「全て臆測で書かれたこと。チームを率いるロス(ブラウン代表)にはできるだけ長くチームにいてもらいたいと思っているし、まだチームの状況がよく分からない段階でトップ人事を断行するなんて理不尽だ」と釈明に追われる事態となった。

 これでうわさは沈静するかと思いきや、火に油を注いだのがF1の最高実力者といわれるエクレストン氏だ。同氏は1日付の英紙「シティーAM」で「彼ら(メルセデス)はトトを手に入れ、ニキ(ラウダ氏)も手に入れた。もうそれで十分じゃないか」と発言。メルセデスはブラウン代表が不在でもしっかりやっていけると太鼓判を押し、更迭のうわさに拍車を掛ける結果となった。

 ウルフ氏がメルセデスF1の新代表になるうえで、キーパーソンとなるのがマクラーレンのロウTD。ベネトン、フェラーリ、ブラウンGPでタイトル獲得の実績を誇るブラウン代表とは違い、ウルフ氏だけでは技術スタッフを束ねることができないからだ。突如として渦中の人となったロウTDは、1月31日に行われたマクラーレンの新車発表会を欠席。メルセデス移籍への布石かとメディアは色めき立った。が、M・ウィトマーシュ代表は「ロウTDが欠席した理由は『人事のうわさでせっかくの新車発表会を邪魔したくない』と申し出てきたから。今シーズンは間違いなくマクラーレンで仕事をする」と断言。その一方で「来シーズン以降も残ってほしいと思っているが、実際どうなるかはクリアになっていない」と来季以降については明言を避けており、いずれブラウン代表はチームを追われるだろうという見方が、欧州メディアの間でさらに強まっている。