ブレーキ壊れタイヤバリアーに一直線〜好判断でダメージ最小限
へレス合同テスト第2日
移籍後初ドライブでいきなりクラッシュを喫したハミルトン(メルセデス提供)
移籍後初ドライブでいきなりクラッシュを喫したハミルトン(メルセデス提供)
 【ヘレスサーキット(スペイン)L・バスコンセロス、北川さき】F1合同テストは6日、当地で第2日を行い、メルセデスに移籍したルイス・ハミルトン(28)が初登場したが、たった15周でクラッシュだ。今季型「F1 W04」のブレーキトラブルが原因ながら、同車はニコ・ロズベルグ(27)が乗り込んだ初日も電気系統トラブルを起こしており、2日連続で早々にテストを終えた。慣れ親しんだマクラーレンを離れて新しい挑戦を開始したハミルトンだが、前途多難だ。またロマン・グロジャン(26)=ロータス=が驚異的なトップタイムを記録、今季型「E21」の速さをアピールした。

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 テスト開始から1時間30分が経過したとき、サーキットの映像モニターに信じられない光景が映し出された。ハミルトンのクラッシュだ。時速300kmから一気に減速するドライサックコーナーでタイヤバリアーに真っすぐ突っ込んでおり、一瞬緊張が走ったが、自力でクルマから降りる姿が映し出され、安堵(あんど)感が広がった。

 「新しいタイヤに履き替えて2周ほどプッシュした後、ブレーキを踏んだら床までいってしまって。リアブレーキが壊れたようで、クルマにダメージを与えないよう真っすぐ突っ込むことにした。まあ、衝撃は大きかったけどね」。ガレージに戻ったハミルトンはそうさらり。突如起きたトラブルにも、冷静に対処したようだ。

 クルマはフロントのウイングとサスペンションが壊れたが、ハミルトンの冷静な判断が功を奏し、致命的なダメージを負うことはなかった。フロントブレーキしか利かない状況で巧みに速度を落とし、なおかつクルマのダメージを最小限にするぶつかり方をとっさに判断したのは、さすがとしか言いようがない。

 「新車ならトラブルは起きるもの。最初のテストで出たのは良かった。その後に対処できるからね。最後のテストだったら最悪だよ。木曜(7日)にニコが乗るし、金曜(8日)には再び僕が乗る。まあ、様子をみよう」とハミルトン。新天地のテスト初日に新車が壊れ、前日にはチームメートがたった14周で電気系トラブルに見舞われており、普通ならお先真っ暗になるような状況だが、表情をゆがめることもなかった。

 クルマのパフォーマンスが劣るメルセデスへの移籍には、首をかしげる関係者は少なくなかった。当然チームは08年王者を獲得し、でき得る限りの力を注いで今季型車両を造ってきたが、その滑り出しは2日連続でのトラブル発生。なのにハミルトンは「たった数周だったけど、クルマの感触は良かった。いい兆候を感じられたし、このタイム(6番手)なら去年の今ごろよりいいのは明らかだよ」と言い張る。厳しい一年になることを、十分に覚悟しているのかもしれない。
 [F1ヘレス合同テスト第2日](路面:ドライ)
 順 ドライバー(チーム/マシン)               タイム    周
 1 R・グロジャン(ロータス/E21)         1分18秒218  95
 2 P・ディ・レスタ(フォース・インディア/VJM06)1分19秒003  95
 3 D・リチャルド(トロロッソ/STR8)       1分19秒134  83
 4 M・ウェーバー(レッドブル/RB9)        1分19秒338 101
 5 N・ヒュルケンベルク(ザウバー/C32)      1分19秒502  99
 6 L・ハミルトン(メルセデス/F1 W04)     1分19秒519  15
 7 S・ペレス(マクラーレン/MP4−28)      1分19秒572  81
 8 F・マッサ(フェラーリ/F138)         1分19秒914  78
 9 P・マルドナド(ウィリアムズ/FW34)※     1分20秒693  71
10 J・ロシター(フォース・インディア/VJM06)  1分21秒273  19
11 G・ファンデルガルデ(カータハム/CT03)    1分21秒311  88
12 L・ラジア(マルシャ/MR02)          1分23秒537  31
 ※=2012年型