ピレリが要望〜試作品は角に丸み
レッドブルなど資金力豊富な4チームが参加へ
2014年仕様の試作タイヤ(尾張正博撮影)
2014年仕様の試作タイヤ(尾張正博撮影)
 ピレリが要望していた2014年仕様F1タイヤの特別テストが、12月20日前後にバーレーン国際サーキットで行われることが確実になった。現時点で参加を予定しているのはレッドブル、メルセデスAMG、フェラーリの今季コンストラクターズのトップ3に加え、同5位に終わったものの資金力のあるマクラーレンを含めた計4チームになる見込みだ。

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 最終戦ブラジルGPのフリー走行1、2回目にピレリは14年仕様タイヤの試作品=写真1=を持ち込み、データを蓄積する予定だった。しかし、雨にたたられ、路面状況がいくらか良かった時を見計らってコースインしたS・ベッテル(レッドブル)の1周のみ。とてもデータを得られる状況ではなく、以前から国際自動車連盟(FIA)と各チームに働き掛けていた12月中の特別テストの実施をあらためて強く要求することになった。

 その結果、ピレリの要望に応えたのはレッドブルなど資金力のある4チームのみ。コンストラクターズ4位のロータスにしても、あるスタッフが「テストが予定されている12月20日前後は新車開発の真っただ中であるため、中〜小規模のチームではとてもバーレーンへ行く余裕がない」と漏らす状況だ。

 また、中〜小規模のチームがバーレーンの緊急テストに参加しない理由は、「使用するマシンが2011年型だということ」(フォースインディアのスタッフ)という。今年5月にメルセデスが現行型マシンを使用した単独テストを行い、FIAの国際法廷から処罰を受けたように、現在のF1ではシーズン開幕前のウインターテスト以外は2年落ちマシンでないとテストができず、中小チームではそれを用意する余裕がないのだ。

 ブラジルGPに持ち込まれた来季用タイヤの試作品は、前輪タイヤの構造に変更が加えられ、ショルダー(角)部分が今季仕様より幾分丸みを帯びていたのである=写真2。ピレリのレーシングマネジャーのマリオ・イゾラさんは「来年はターボエンジンを採用するため、後輪タイヤがさらに酷使されると予想され、前後タイヤのバランスが不均一になることを是正する措置」と説明してくれた。

 また、試作品のコンパウンド(ゴム種)は、今年のミディアムより若干硬めの新ミディアムコンパウンドが採用されていた。メルセデスの技術責任者を務めるパディ・ロウさんは「バーレーンでは新ミディアム以外のコンパウンドもテストできるはずだから、ロジスティック(移動)的に苦労は伴うが、行く価値はある」と力説。長いシーズンを締めくくる最終戦を終えたばかりのF1だが、14年への戦いは年内にスタートする。 (尾張正博)
左が13年用タイヤで、右が14年用試作タイヤ。よく見るとタイヤの角の部分に違いが見られる(尾張正博撮影)
左が13年用タイヤで、右が14年用試作タイヤ。よく見るとタイヤの角の部分に違いが見られる(尾張正博撮影)