今週末にもメルセデス退任を決断!?
「来年は非常にエキサイティングなシーズン」と意味深発言
今季限りでのメルセデス離脱が濃厚とされ、ライバルチームから引く手あまたのブラウン代表(AP)
今季限りでのメルセデス離脱が濃厚とされ、ライバルチームから引く手あまたのブラウン代表(AP)
 今季F1でコンストラクターズ争い2位に躍進したメルセデスAMGのロス・ブラウン代表(59)が、今季限りで退任するとの見方が強まっている。今年からメルセデスAMGの執行役員となり、発言力を増しているトト・ウルフさん(41)がチーム代表の権限を縮小する改革に着手。これに難色を示しているブラウン代表に対し、2000年代に黄金時代をともに築いた古巣フェラーリ、そしてチーム強化を目指すウィリアムズがラブコールを送っているという構図だ。

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 今季のメルセデスはワークスチームとして55年ぶりにF1へ復帰した2010年以降、ベストリザルトのコンストラクターズランキング2位に飛躍。その功労者ともいえるR・ブラウン代表がなぜか、今季限りでメルセデスを去るとのウワサがささやかれている。原因はメルセデスAMGの株式30%を持つ大株主として、今年の1月に乗り込んできたT・ウルフ執行役員との衝突。ウルフ執行役員が来季から代表職の権限をパディ・ロウ技術責任者と分担させようとしているのに対し、ブラウン代表は今後も全権を握り続けることに固執しているためだ。

 この情報を目ざとくキャッチし、ブラウン代表を引き入れようと画策しているのがウィリアムズのF・ウィリアムズ代表だ。P・マルドナドとV・ボッタスのレギュラーコンビで臨んだ今季はわずか2回の入賞にとどまり、1975年のF1参戦以来ワーストともいえる散々な成績に終わった。ウィリアムズ代表のチーム再建にかける思いには並々ならぬものがある。ベネトン&フェラーリのテクニカルディレクター(TD)としてM・シューマッハーさんのタイトル獲得を強力にアシストし、その後もホンダ撤退後のブラウンGP代表としてタイトル獲得に導いた手腕にすがりたくなってもおかしくない。

 スカイスポーツから取材を受けたウィリアムズ代表は「確かに彼がここに来てくれれば素晴らしい補強になるだろう。でもまだ彼に接触もしていないのだから、これ以上はコメントできない」と多くを語ろうとしないが、その裏でブラウン代表獲得後のプランを着々と進行。親しい関係者に代表職を禅譲する考えを明かしているほか、ウルフ執行役員が現在も持ち続けているウィリアムズの株式15%を買い戻し、ブラウン代表に売り渡す青写真を描いているというのだ。

 その一方でフェラーリもチーム復権をかけ、7年前までTDとして跳ね馬の黄金期を築いたブラウン代表の再獲得をもくろんでいるとのウワサが持ち上がっている。実際に今季最終戦ブラジルGPでは、ブラウン代表がフェラーリのS・ドメニカリ代表のオフィスを訪れ、これを目撃したメディアは騒然となった。その真意をスカイスポーツに聞かれたブラウン代表は「適切な時期に皆さんに報告する。来年は非常にエキサイティングなシーズンであり、何が起こるか見てみようじゃないか」と意味深なコメント。古巣復帰のウワサに拍車がかかっている。

 いずれにしろライバルチームがアクションを起こすには、ブラウン代表がメルセデス離脱の意向を示す必要がある。メルセデスの地元ドイツのメディア、シュポルト・ビルトは「今週末にも発表されるのでは」としており、ブラウン代表が下す決断に注目が集まっている。 (ルイス・バスコンセロス)
メルセデスの2010年以降の成績
メルセデスの2010年以降の成績