マルドナドはロータス?、ヒュルケンベルグは復帰濃厚
ディレスタ落選?→インディカーか
フォースインディア入り決定的? 同チームのB・フェーンリー副代表(右)と談笑するヒュルケンベルグ(左)(カメラ=尾張正博)
フォースインディア入り決定的? 同チームのB・フェーンリー副代表(右)と談笑するヒュルケンベルグ(左)(カメラ=尾張正博)
 F1中堅チームのシート争いが混迷を極めている。ロータス加入が有力視されているパストール・マルドナド(28)の落ち着き先が決まらないことが影響し、今季最終戦ブラジルGP(24日決勝)が終わっても、5つのシートを6人以上のドライバーが争う状況が続いているのだ。大方の予想では今週中にも決まると見られていたが、週半ばを過ぎたにもかかわらず、どこからもラインアップは発表されていない。何が障害になっているのか、状況を整理してみた。

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 ロータスの1席とフォースインディア&ザウバーの2席、計5席が現在オープンな状況になっている。

 そこにマルドナドを筆頭に、ザウバーで今季を戦ったニコ・ヒュルケンベルグとエステバン・グティエレス、フォースインディアだったエイドリアン・スーティルとポール・ディレスタ、そしてマクラーレンから放出されたセルジオ・ペレスが加わった計6人が壮絶な戦いを繰り広げているという。チームの財政的な問題も複雑に絡んでおり、そう簡単に決められない状況に陥ってしまったようだ。

 欧州メディアの報道では、ブラジルGP決勝日の夜にヒュルケンベルグとフォースインディアが契約を交わしたことになっている。さらにマルドナドは今週末に母国ベネズエラの首都カラカスでロータスと契約を結ぶといわれている。

 ヒュルケンベルグのフォースインディア復帰はほぼ間違いないだろう。当初はロータス入りを目指し、チーム側もヒュルケンベルグを迎え入れたかったようだが、脆弱(ぜいじゃく)な財政基盤を整える頼みの綱だったチーム株式35%を取得したはずの投資会社「クワンタム」からの支払いがなく、ロータスは方針を変更。ベネズエラの石油会社「PDVSA」から4000万ユーロ(約56億円)もの資金が持ち込まれるマルドナド起用のカウントダウンが始まっている状況では、古巣へ戻る決断を下すしかないだろう。

 フォースインディアのもう1席には、アイルトン・セナさんのマネジャーだったジュリアン・ジャコビーさんの支援を得たペレスの加入が取り沙汰されている。メキシコの通信大手「テルメックス」から1500〜2000万ユーロ(21〜28億円)もの支援があるというが、スーティルのマネジャーは残留に自信たっぷり。ヒュルケンベルグ&スーティルのコンビになりそうな気配だ。

 そしてザウバーはテルメックスから総額4000万ユーロのスポンサーマネーが投入され、ペレス&グティエレスのメキシコ人コンビの起用が取り沙汰されている。が、5000万ユーロ(約70億円)もの資金を持ち込むというロシア国営企業のサポートを受けたセルゲイ・シロトキンが来季のF1デビューを控えている。経験不足から1年間のリザーブドライバー案も浮上しているが、マルドナド起用の報道も根強くあり、どんなかたちで落ち着くかは不透明。財政難というチームの大問題がドライバー選定に大きく影響しているようだ。

 一方、シート争いに敗れる可能性が高いディレスタは、いとこにあたるダリオ・フランキッティが今季限りで引退したインディカー入りが有力視されている。ペレスも中団グループのシートが見つからなかった場合は、アメリカに活路を見いだすしかないだろう。このシート争いに小林可夢偉の名前がないのが少し寂しいが、あと数日で全てのシートが“売約済み”となるのは間違いない。(L・バスコンセロス、尾張正博)
ロータス加入が宙に浮いているマルドナド(左)。右はN・トッドマネージャー(カメラ=尾張正博)
ロータス加入が宙に浮いているマルドナド(左)。右はN・トッドマネージャー(カメラ=尾張正博)