2日目はわずか1周半
アブダビ合同テスト最終第2日
心配そうにモニターを見つめる新井ホンダ総責任者(中)(カメラ=尾張正博)
心配そうにモニターを見つめる新井ホンダ総責任者(中)(カメラ=尾張正博)
 【ヤスマリーナ・サーキット(アブダビ)尾張正博】シーズン終了後のアブダビ合同テストが26日、当地で第2日(最終日)が行われ、2日目もマクラーレン・ホンダは不発に終わった。前日までとは違う問題が発生し、夕方になってようやくコースインしたが、1周半後にコース上でストップ。初の公式テストは一度も満足な走行ができないまま終わった。が、ホンダの新井康久F1プロジェクト総責任者(57)、マクラーレンのエリック・ブリエ・レーシングディレクター(41)とも参加できたことの成果を強調した。トップタイムはパスカル・ベールライン(20)=メルセデス=が記録した。

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4時過ぎにようやくコースへ向かったマクラーレン・ホンダだが…(カメラ=尾張正博)
4時過ぎにようやくコースへ向かったマクラーレン・ホンダだが…(カメラ=尾張正博)
■午前5時30分:PUに問題はなし

 実質2周半で終わったテスト初日から一夜明けたマクラーレン・ホンダは、テスト開始直前になって突然パワーユニット(PU)がウンともスンとも言わなくなった。前夜のうちに初日の問題を解決し、2日目の午前5時半にガレージ内で始動した時には問題なく動いたというが、S・バンドルネがレーシングスーツに着替え、いざ走行となった途端にフリーズしてしまった。

 さすがにガレージの内外に渋い顔が浮かぶ。ホンダも含めた総勢100人のスタッフは再び原因究明にせわしなく動きだしたが、なかなかトラブルの元凶を特定できない。電気系統に問題が発生しているのは明白ながら、その原因がどこだか分からない。時間ばかりが過ぎてゆき、最後は関係ないとは思いながら無線機まで外したという。

■午後4時15分:ようやく動き出す

 結局PUが動きだしたのは、初日より遅い午後4時15分。全てのデータを確認した14分後の同29分、バンドルネが乗り込み1周の確認走行に繰り出した。問題なかったため、8分後には初のロングランのためにコースインしたが、多くのスタッフが待ち構えていたピットウオールにクルマは戻ってこなかった。

 「突然テレメトリーがシャットダウンしたのでどこで止まったのかも分からない」と新井総責任者。レッカーでガレージに戻された車両はスタッフが懸命に原因を探ったが、特定に至らず、結局午後5時半すぎに走行を断念。ライバルチームが走行を続ける中、いち早く作業を切り上げた。ブリエ・ディレクターも「正直に言えばハッピーではない」と渋い顔。初日は「こんなものさ」と余裕をみせていたが、2日連続でまともに走れない状況では笑っていられなかった。

 が、無駄な2日間だったとは思っていない。契約上、今季を戦ったメルセデス製PUで今回のテストに参加できたが、ホンダと1日でも早く仕事をすることが今後のメリットになると判断。来季のクルマ造りで有益な情報をもたらすテストがふいになっても、ホンダと歩み出すことを選んだのだ。「今回はこういうこと(問題発生)を事前に経験しておくためのテスト。年明けのテストでこのような事態にならないよう、無理をしてでも(ホンダと)アブダビで走る決断をした」と、ブリエ・ディレクターは言い切った。

 成果を強調するのはホンダも同様。新井総責任者は「走っていないので皆さん心配しているでしょうが、ベンチ(台上)では経験することができなかった問題を発見したことは大きな収穫。現場でマクラーレンのスタッフと一緒に仕事できたこともいい経験になった」ときっぱり。例え走れなくても実走で起きた問題は今後の開発に生きたデータになる。

 もちろん2日間で正味4周しかできなかった事実は変えられない。「ほとんど走行できなかったという結果には満足していません」と新井総責任者。今回味わった悔しさを来年への大きな力にするつもりだ。
さすがに渋い顔のブリエ・ディレクター(左)。右は元ドライバーのG・ベルガーさん(カメラ=尾張正博)
さすがに渋い顔のブリエ・ディレクター(左)。右は元ドライバーのG・ベルガーさん(カメラ=尾張正博)
テスト2日目は1周半のみ。コース上でストップした(カメラ=尾張正博)
テスト2日目は1周半のみ。コース上でストップした(カメラ=尾張正博)