衝突時時速126キロ…鈴鹿のマーシャルに落ち度なし
FIAが396ページの調査内容発表
現在も意識不明の状態が続くビアンキ(AP)
現在も意識不明の状態が続くビアンキ(AP)
 今年のF1第15戦日本GP(10月5日決勝、三重県・鈴鹿サーキット)での事故で意識不明の重体となったジュール・ビアンキ(25)=マルシャ=の事態を受け、設立された調査委員会が計396ページにわたる報告書を国際自動車連盟(FIA)に提出。FIAの公式サイトで3日に発表され、「十分な減速がなされなかったことが事故の一因」と結論づけた。

 ビアンキは雨の中で実施された日本GPで自身の42周目にターン7と呼ばれるダンロップコーナーでコースオフ。運悪く1周前に同じ場所でコースオフしたA・スーティル(ザウバー)の車両を撤去していたクレーン車の後部に激突し、頭部を負傷した。FIAから指名された10人で構成される同委員会によると、この時のビアンキの車両速度は時速126kmに達しており、「十分な減速がなされなかったためにスーティルと同じ場所で車両のコントロールを失った」との見解を示した。また事故直後にセーフティーカー(SC)が導入されなかったとの批判に対しては、「過去8年、384件の事故と比較して規則に違反する点は見つからなかった」と反論。さらに「的確な救助、医療活動が行われたことによりビアンキの生命を救うことに多大な貢献をした」とし、現場での処置に落ち度はなかったと明言した。

 一方でビアンキのような事故を防ぐために、いくつかの改善案を提示。黄旗が出されている区間では速度制限を厳しく課す制度の確立、ナイトレース以外では日没の4時間以上前にスタートすることなどを挙げるとともに、各開催地の雨期を避けてF1の年間カレンダーを組むよう勧告した。

 ビアンキは先月19日に三重県立総合医療センター(四日市市)から、自宅のあるフランスのニース大学医療センター転院。人工的な昏睡(こんすい)状態を脱し、自発呼吸をしているものの、現在も意識不明の状態が続いている。