年末までに覚書
分裂の危機回避
分裂の危機が回避され、まずはホッと一息のエクレストン氏
分裂の危機が回避され、まずはホッと一息のエクレストン氏
 グランプリ世界選手権(GPWC)は4日、対立していた国際自動車連盟(FIA)名誉副会長でもあるエクレストン氏の息がかかるF1統括運営会社SLEC(セルビア・エクレストン)と和解することを明らかにした。双方の連名で将来のF1構築について、年末までに覚書を交わすことで合意に達したことがリリース発表されたもの。合意内容については明らかになっていないが、関係者によると、SLECに出資するドイツの金融グループと何らかの金銭的な合意を取り付けることができた模様で、ロイター通信では消息筋の話として「銀行、エクレストン氏、自動車メーカーのどれも勝ちという図式で新シリーズの脅威はない」としている。

 GPWCはBMW、ダイムラークライスラー、フェラーリ、フォード、ルノーのF1に参戦する欧米自動車5メーカーで組織される団体。関連企業などを通じてF1の商業化権を保有、金銭面、発言力などの権力を増すエクレストン氏をけん制するために大同団結に至ったとみられ、現在のコンコルド協定が満了する08年から新しいグランプリ選手権を設立する構想をちらつかせ、03年初めにはF1チームと設立趣旨に同意が得られたとして覚書をも交わしていた。

 しかし、これまでもSLECやその傘下の運営会社FOAと話し合いを続けてきたGPWCだが、ライバル・メーカーが結集した団体のため、1枚岩でなかったことも事実。エクレストン氏との話し合いでも、なかなか決着できない部分もあったとわれる。

 今回の合意に関してGPWCのJ・フバート代表(ダイムラークライスラー取締役)は「F1の将来について交渉を成立することができたことは大変うれしい」とコメント。GPWCは年末、覚書を交わした時点で解散される見込みとなっている。

 また、GPWCはこれまで、エクレストン氏サイドにテレビ放映権料の分配金引き上げも要求。分配率については、コンコルド協定などでベールに包まれている部分が多いものの、関係者によれば、交渉の結果、25%から47%に引き上げられたようだ。それでもF1全体で換算すると23%に過ぎないといわれる。