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17年技術規則改正案固まる
1991年モナコGPでN・プロストがドライブするフェラーリ。安定感のあるフロントウイングが印象的(フェラーリ提供)
1991年モナコGPでN・プロストがドライブするフェラーリ。安定感のあるフロントウイングが印象的(フェラーリ提供)
 F1マシンがレトロスタイルに戻る。ウィリアムズのパット・シモンズ・チーフテクニカルオフィサーが2017年の技術規則の改正案が固まり、車体の空力パッケージが大きく変貌することを明かした。ともに大ぶりなディフューザー(車両後部底面の整流パーツ)とフロントウイングを採用し、ひと昔前のフォルムに。

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92年シーズン、A・セナが乗ったマクラーレンMP4/7=鈴鹿サーキットで
92年シーズン、A・セナが乗ったマクラーレンMP4/7=鈴鹿サーキットで
 F1技術規則にメスが入るのは第3条。車体構造と寸法を規定している項目だ。既に草案はまとまり、今後は国際自動車連盟(FIA)の最高決議機関の世界モータースポーツ評議会に諮られ、正式承認される運びとなっている。

 「草案の文章はウィリアムズが主になってまとめた。来週までには各チームに届く予定だが、肝の部分は基本的に合意に達している」とウィリアムズのシモンズ・チーフテクニカルオフィサー(最高技術責任者、CTO)は報道陣の取材に答えた。大幅に変更されるのは空力パッケージ。「少しレトロになる。大きめのディフューザーにがっしりとしたフロントウイング。極めて魅力的なスタイルになる」とした。

 5月にFIAは「ラップタイムを5、6秒縮め、より速いマシンにする」という方針を掲げた。規則変更の詳細は明らかになっていないが、幅広タイヤを導入する見通しだ。タイヤを含めた全幅が長くなることで、フロントウイングの幅なども広がるもよう。その結果、タイヤのグリップ(接地力)とダウンフォース(気流で地面に押さえ付ける力)が増し、ラップタイムが格段に向上するという。

 「車が速くなり、マシンのスタイルも良くなる。これら2つをなし得たと考える」とシモンズCTO。車両の全幅が1800mmとなったのは1998年から。92年までは2150mmもあり、比較すると極端に小型化されたイメージはある。「レトロ」と表現する意味は車両の大型化を指すとみられている。

 業界の悩みはF1の人気が急激に下降線をたどっていること。技術やルールが複雑化し、ドライバーが腕っ節を競う本来の趣旨とは懸け離れた状況にある。「温故知新」にシフトすることが果たして吉と出るか−。