F1側と分配金の増額で折り合わず
最終第19戦アブダビGP第2日
ルノーのシリル・アビテブール・モータースポーツ責任者(AP)
ルノーのシリル・アビテブール・モータースポーツ責任者(AP)
 【ヤスマリーナサーキット(アブダビ)柴田久仁夫、ルイス・バスコンセロス】ルノーがアブダビGP期間中(27〜29日)に予定していたロータス買収完了の発表が急きょ中止となった。F1グループのバーニー・エクレストン最高経営責任者(CEO)との間で交渉した末に決めた。ワークスチームとして復帰することでF1側に分配金の増額を求めたようだが、折り合いがつかなかったという。週明けにルノーのカルロス・ゴーンCEOとエクレストンCEOが会談し、妥協点を見いだすと見られている。

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 師走の足音がそこまで聞こえている。なのに、なにゆえにここまでじらし、じらされるのか。9月にルノーがロータス買収で基本合意したことが発表されたものの、買収完了の知らせが一向に舞い込んで来ない。

 「ルノーの将来に関する発表は今週末にはない。シーズン終了後にはしたいとは思っている」。ルノーのシリル・アビテブール・モータースポーツ責任者は予定していたアブダビGP期間中の発表が中止となったことを急きょ報道陣に伝えた。ゴーンCEOが商業権などを統括するF1グループに対して分配金の増額を求めているようだが、合意に至らなかったことが原因とされる。

 F1関係者によると、老舗チームについては慣例で分配金に一定の金額が上乗せされるシステムがある。マクラーレンやメルセデスについては年間3000万ユーロ(約39億円)。ルノーもワークスチームとして復帰することから、同じ額の支給を申し出たものの、F1グループ側から難色を示されたという。

 最高権力を握るエクレストンCEOの心証は特に悪い。きっかけは経営が行き詰まりかけたロータスが日本GPなどでチーム施設のリース料を相次いで滞納したこと。ルノーがロータス買収に消極的と判断しているようで、査定で算出された上乗せ分は2000万ユーロ(約26億円)程度だったとみられている。

 アビテブール責任者は発表が中止となったことについて「F1ではありふれたこと。ジェットコースターみたいもの」と話した。実際にはロータスにはルノーのスタッフが派遣され、来季に向けた車両開発や営業活動が黙々と続けられている。買収手続き自体に問題はないようだ。週明けにはゴーン、エクレストン両CEOが会談する見通しで、そこで何らかの合意が得られれば、ロータス買収完了の手続きがとられるもようだ。