FIAがPU開発緩和案承認
世界モータースポーツ評議会
今季は大苦戦のマクラーレン・ホンダ陣営もPUルール緩和に大喜び?(マクラーレン提供)
今季は大苦戦のマクラーレン・ホンダ陣営もPUルール緩和に大喜び?(マクラーレン提供)
 国際自動車連盟(FIA)は2日、世界モータースポーツ評議会を開き、F1のパワーユニット(PU)開発の緩和案を承認した。昨年から導入されたPUは、開発範囲が厳しく制限されていたが、ホンダ、ルノーの2社が後れをとっている状況を鑑み、2016年以降の開発範囲を広げることになった。復帰初年度の今年、地をはうような苦しさを味わったホンダには追い風だ。

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来季開発範囲トークンを「25」から「32」へ大幅引き上げ

 14年から導入されたPUは、1.6リットルのV6直噴ターボと排熱と運動の2つの回生エネルギーで発電するハイブリッドシステムとなった。システムの複雑さに加え、1年間の開発範囲もトークンと呼ばれる重要部位の開発を数値化して厳しく管理。1年遅れて参戦したホンダは、問題個所を突き詰めても規則で開発できない苦境に陥った。

 が、PU開発で有利な立場にたったメルセデスが簡単に2連覇する状況に頭を痛めたFIAは、後れをとったホンダ、ルノーの救済を目的に、来季以降の開発範囲を広げることに決めた。

 従来の規則は16年のPU開発範囲のトークンが「25」、17年は「20」、18年は「15」、19年は「3」と定めていた。しかし、今回の世界評議会ではそれぞれ「32」、「25」、「20」、「15」に引き上げた。さらに今年は特例でシーズン中の開発を認めたが、来季以降は規則としてシーズン中の開発が可能になった。

 PUの開発を全てトークンで表すと「66」。来年はその半分近くをオフシーズンからシーズン中にかけて開発できる。現時点でアドバンテージを持つメルセデスがさらに有効な開発を進められるという見方もあるが、開発範囲が広げられるのは追う身には願ってもない朗報だろう。今年のホンダのように、走行中のハイブリッドの充電性能がライバルに劣っていることが分かっても、規則で開発できないジレンマに見舞われることも少なくなる。

 「32」ものトークンを使えば、まるで違うものが造れるという。信頼性に加えデプロイメントと呼ばれる走行中の充電性能に劣ったホンダも、来季は生まれ変わることができる。

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型落ちPU使用「OK」

 ○…FIAは世界評議会で自動車メーカーが仕様の異なるPU供給を認めた。規則では同仕様の供給が義務付けられていたが、今年は特別措置だったマノーマルシャの1年落ちPU搭載が規則で正式に認められた。FIA発表の中ではフェラーリの4チーム目に1年落ちPU搭載を認めると表記。名前こそ伏せられたが、来季PUが未発表のトロロッソが15年仕様のフェラーリPUを搭載するようだ。兄チームのレッドブルはノーブランドでルノー製を継続使用する見込みだが、来季マクラーレンから移るスポンサー「タグホイヤー」の名称を使うのではといううわさが出ている。

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タイヤ使用も変更

ドライバーが選択

 ○…評議会ではPU開発の技術規則に加え、タイヤ使用に関する運営規則の変更も承認。今年までは単独供給するピレリが各GPに合わせて持ち込んだ2種類のコンパウンド(ゴム種)のタイヤを使ってきたが、来季は持ち込みが3種で、各ドライバーがその中から2種類を選ぶことになる。順位変動が少ない退屈なレースに不確定要素を増やすのが目的。また、バーチャルセーフティーカー運用の変更なども認められた。