第21戦アブダビGP決勝
見せた壮絶執念
 4度目のタイトルに壮絶な執念をみせた。ポールtoウインを決めたハミルトンは終始レースをコントロールし、後ろを走るロズベルグが後続に飲み込まれる可能性にかけた。望みはかなわなかったが、やるだけのことはやった。

 レース前から覚悟を決めていた。「とにかく勝ちたい。そしてダニエル(リカルド)たちに割って入ってほしい」。魂の雄たけび上げ、自分ができること全てをやるつもりだった。

 レース中にはチームからペースを上げるよう何度も無線が入った。それでもハミルトンは「レースをさせてほしい」と遅いペースで走り続けた。最後は技術部門のパディ・ロウ責任者から「ペースを上げろ。命令だ」とまで言われたが、無視し続けた。ゴールでは4位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)まで1・7秒以内の大接戦となった。

 10代半ばのレーシングカート時代からチームメートだったロズベルグのことは知り尽くしている。過去2年同様、精神的なもろさをついて逆転できると踏んでいた。ただし、同じクルマに乗るチームメートに2年続けてタイトルを許した悔しさを糧にした今年の成長ぶりは予想外だった。

 「ニコ、良くやった。おめでとう! 僕は最後の4レース全て勝つつもりで挑み、やり切った」

 闘いが終われば、子どものころから苦楽を共にした親友に戻る。タイトルにはわずか5ポイント届かなかったが、その事実を受け入れるしかない。