家族の対面を果たし満面の笑みのロズベルグ一家。(左から)父ケケ、妻ビビアン、ニコ、母シーナの皆さん(ゲッティ・共同)
家族の対面を果たし満面の笑みのロズベルグ一家。(左から)父ケケ、妻ビビアン、ニコ、母シーナの皆さん(ゲッティ・共同)
 メルセデスのニコ・ロズベルグ(31)=ドイツ=が2位でゴールし、初のワールドチャンピオンを決めた。仕事の邪魔にならないよう今季はパドックを訪れることのなかった元F1王者の父ケケさん(67)と母シーナさん(70)もレース後に現地に駆けつけ、愛息の偉業を祝福した。優勝はポールスタートの僚友ルイス・ハミルトン(31)=英国=で今季10勝目。マクラーレン・ホンダ勢はフェルナンド・アロンソ(35)=スペイン=が10位。ジェンソン・バトン(36)=英国=は12周リタイア。

 歓喜の声が一度も途切れない。メルセデスのガレージは撤収作業をそっちのけで、チャンピオンを決めたロズベルグの即席祝勝会場と化した。

 「ルイス(ハミルトン)を倒せたことが満足。僕にとっては“ザ・標的”だったから。今までで一番楽しめなかったレースだった。残り数周で後ろから2台が迫ってくるし、もし追い抜かれでもしたらタイトルを逃す。しんどかったよ」

 ロズベルグはとびきりの笑顔を浮かべつつも時折やつれたような表情も見せた。ドライバーズポイントではタイトル争ったハミルトンとはわずか5ポイント差。仮に4位でフィニッシュしていれば、チャンピオンにはなれない。最後まで息つく暇がなかったという。

 今季は家族の絆にも支えられた。レース後の公式記者会見では「ママがたった今、ガレージに到着したんだ。父はこちらに向かっていると思う」と声を弾ませた。あえてそのことに触れたのは理由がある。今季は仕事の邪魔にならないようロズベルグ家で現場に付き添うのは愛妻のビビアンさんだけだったのだ。かつてはマネジャーとしてべったりだった父のケケさんもパドックに顔を出すのを控えた。母シーナさんは息子の身を案じいつも自宅で留守番をしていた。今回はチャンピオンを取ると信じ、愛息に会いにいくことを決めていたようだ。

 ロズベルグはまずはシーナさんと再会。ビビアンさんとのスリーショットになると2人にサンドイッチ状態にされて両ほほにキスを受けた。その後はドバイから空路で到着したケケさんからも祝福を受けた。「両親はずっと献身的に支えてくれた。父は土曜日になると必ずメールをくれた。『思い切りペダルを踏め』ってね。でも、今季は現場でほったらかしにしてくれたのがいい方向に働いた」。感謝の言葉をちりばめた。

 F1参戦11年目。30歳以上で初王者となったのは1998年のミカ・ハッキネン(当時30歳)以来18年ぶり。「来季の目標は昨日よりもうまく走ること。背中に重圧を感じるね。一筋縄ではいかないと思う」

 来季は車両規則が大幅に改められるため、勢力図ががらりと変わる可能性もある。タイトルを防衛すべく、早くも戦闘モードだ。