最強で最愛のライバル終止符
カート時代のロズベルグ(左)とハミルトン(ハミルトンのインスタグラムから)
カート時代のロズベルグ(左)とハミルトン(ハミルトンのインスタグラムから)
 初のF1チャンピオンに輝いたメルセデスのニコ・ロズベルグ(31)=ドイツ=が2日に現役引退を表明したことを受け、カート時代からライバル関係だった僚友ルイス・ハミルトン(31)=英国=が、F1でバトルができなくなったことを惜しんだ。ロイター通信などによると、ウィーンで開かれた国際自動車連盟(FIA)の年間表彰式で再会。ロズベルグからは引退の意思も事前に伝えられたという。

常に不仲説も

チャンピオンを決めたアブダビGPの表彰台。ロズベルグ(左)はハミルトンと握手(AP)
チャンピオンを決めたアブダビGPの表彰台。ロズベルグ(左)はハミルトンと握手(AP)
 カート時代から数えて18年。2人の絆は海よりも深かった。ハミルトンは、常に不仲説が伝えられていたロズベルグと心の奥底でしっかりとつながっていた。

 「ライバルがいなくなるのが寂しいかって? そりゃそうだよ。でも、多くの人は驚いているかもしれないが、僕は驚いていない唯一の人間だ。彼とは長くよしみを通じてきたから」

 2人が出会ったのは13歳の時。カート、F3、F1−。ともに将来を嘱望された良き友、良きライバルとして腕を磨き合った。2013年からはメルセデスでチームメートに。時に同士打ちを演じるなど禍根を残すレースも経験したが、ロズベルグがチャンピオンを決めたアブダビGP(11月27日決勝)の表彰台ではがっちりと握手を交わし、エールを交換した。

 1日には自身のインスタグラムでチャンピオン獲得を祝福するメッセージを披露し、ゴーカート時代のツーショット写真を公開。「2人とも昔からチャンピオンになれると言っていたが、お互いにそうなれたね。おめでとう、ニコ。君は王者の素養を全て持ち合わせていた。なって当然だよ」とたたえた。

 引退の一因として家族のことを挙げた。ロズベルグは長女アライアちゃんを昨年8月に授かったが、育児はビビアン夫人に任せっきり。「彼には面倒みないといけない家族がいるし、もっと子どもをもうけたいはずだよ。(レースの多い)F1は多くの時間を奪ってしまうもの」と指摘した。

 ここ3年間は2人で超絶バトルを繰り広げた。今季もハミルトン10勝に対し、王者のロズベルグは9勝。点差もわずか5ポイントでほぼ互角の勝負だった。「彼からタイトルを取り戻すために直接戦えないのは残念。でも、トップのまま辞めるという彼の決定を尊重したい。それが彼の選択だった」

 2人だけのノーサイド。最強で最愛のライバル同士の戦いは、何の前触れもなくピリオドが打たれた。