長谷川総責任者、今季を振り返る
目指していたレベルに到達できなかった
今季を振り返るホンダの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者(鶴田真也撮影)
今季を振り返るホンダの長谷川祐介F1プロジェクト総責任者(鶴田真也撮影)
 −マクラーレンとの3年間が終了。最後のレースの感想は?

 長谷川総責任者「ほっとした。最後はきちっと(トラブルなく)実力を発揮した形で終わりたかったので。2台が完走できてよかった。ウィリアムズの前でゴールできたのも大きかった」

 −昨季は製造者ランク6位に浮上したが、今季は9位に再び転落した

 「特に今年は厳しいシーズンだった。本来であれば、フォースインディア、ウィリアムズ、ルノーよりも上にいなければならなかった。3年間で本来目指していたレベルに到達できなかった。非常に残念」

 −今季からパワーユニット(PU)を新設計にしたが、開幕前の合同テストで不具合が頻発。それが響いた

 「方向性に対しては問題なかった。だから、来年も基本的に同じコンセプトでいこうと思っている。やはり大きく仕様を変えたことで準備の時間がどうしても足りなかった。スタートでつまずいてしまった」

 −開幕前に昨季の仕様に戻す検討もされた

 「今年のマシンパッケージは戦闘力を上げるために必要なものだった。昨年のモノとは大きく違う。完全に元に戻しては意味がない。やり遂げるしかなかった。もちろん、部分的に元に戻したというか、結果的にそちらの方向に変えたというものはあったが」

 −6つの部位で構成されるPUを開発するのは非常に難しい

 「MGU−H(熱エネルギー回生装置)とターボにトラブルが集中してしまった。それはパッケージを変えたことに起因したもの。実際に元に戻すことはできなかった。ただし、夏休み明けからはリカバリーができた。その点は良かった。安定してクルマを走らせる。それがパワーユニットの責務なので」

 −アロンソとは3年間一緒に戦った。ホンダへの文句など辛辣(しんらつ)な発言も多かった

 「選手としてのパフォーマンスは素晴らしい。この前のブラジル(8位)とか彼にしかできないようなレースがあった。彼は自身で感じている問題を言っているだけで、その通りだということも多い。そんなことを言われないエンジンにしなきゃいけなかった」

 −ホンダの技術陣もなにくそという思いがあったはず

 「リタイアした悔しさ、恥ずかしさは選手に言われなくても分かっている。そういう気持ちがないとやっていけない。F1プロジェクトには優秀なメンバーが集められている。エンジニアとしてのプライド、ホンダの看板を背負って戦っている気概を持っていなければ、この場にいられない」

 −来季からはトロロッソが新パートナー

 「マクラーレンとの提携を終わらざるを得なくなった。その次のチャンスを得られたと感じている。メンバーはすごくやる気を持っている。小さなチームなので意思決定もシンプル。変化するという意味で新たな良いところがみつかれば…」

 −数字的な目標は?

 「チャンピオンシップの話をするのはまだ早いが、少なくとも中団でちゃんと戦って、上を目指せるようにしたい。ナンバーワンのエンジンサプライヤーになれるよう確実に前進していきたい」

 (聞き手、構成=鶴田真也)
9位入賞で今季を終えたフェルナンド・アロンソ(ホンダ提供)
9位入賞で今季を終えたフェルナンド・アロンソ(ホンダ提供)
アロンソらを交えて記念撮影するホンダの面々(鶴田真也撮影)
アロンソらを交えて記念撮影するホンダの面々(鶴田真也撮影)