オーストラリアGPフリー走行
サングラス姿で微笑するアロンソだが、その胸中は…
サングラス姿で微笑するアロンソだが、その胸中は…
 【メルボルン・アルバートパークサーキット ペン&カメラ=鶴田真也 ペン=柴田久仁夫、ルイス・バスコンセロス】 マクラーレンのフェルナンド・アロンソ(36)が母国グランプリとなる第5戦スペインGP(5月13日決勝)を最後にF1から引退する可能性が出てきた。レース成績に不満がある場合は、アロンソの意思で解約できる条項が契約に盛り込まれており、このままでは行使しかねない事態という。今季初のフリー走行は8番手タイムだったが、途中で排気管に不具合が発生。車体の信頼性に疑問符がついた。トップタイムはメルセデスのルイス・ハミルトン(33)=英国。

トラブル続き

 晴れの開幕初日に早くも切り札をちらつかせてきた。アロンソは事前テストからマシントラブルが続くマクラーレンに対し、「引退」の2文字をたたきつけた。それもチーム側が最も困るシーズン途中で−。敢然と実力行使に出る構えだ。

 「僕はF1へのチャレンジをやめ、違うシリーズへの転向も考えた」

 今月発売の専門誌「F1レーシング」の最新号では昨季でF1を退き、世界3大レース制覇に向けて、米インディ500、仏ルマン24時間への挑戦を真剣に検討していたことを告白した。ただし、「もう1度F1で成功したい。やり残したことがある」と思いとどまったことも明かした。

 しかし、再び翻意する可能性はある。理由はチームの台所事情だ。今季の年俸は3400万ユーロ(約44億円)。スペインの関係者によると、昨季までは提携していたホンダが全額を事実上、肩代わりしていたが、提携を解消したことで、チーム側が今季分の年俸を独自に用意せねばならなくなった。現状では1800万ユーロ(約23億円)しか確保できていないという。

埋まらない広告

 チームは新規の大口スポンサーと契約できる見通しも立っていない。そこで残り分に相当する車体の広告スペースをアロンソ側に提供。自身が共同創業者を務めるファッションブランド「キモア」のロゴを貼って体裁を整えているという。

 この日は8番手タイムと健闘しながらフリー走行1回目では排気管に不具合が発生。修復のため30分近くも待機をさせられた。車体の信頼性の問題は完全に解決できていない。

 「今は支度と柔軟性が必要。今回は土曜から雨になると思う。信頼性と良い路面状況をつかむことがカギにはなる」とフリー走行後は上り調子を強調したが、資金が慢性的に潤沢でない状況では、きめの細かい整備をする余裕がなく、トラブル頻発の恐れはある。

 今年はルマンを中心レースとする世界耐久選手権(WEC)との二刀流に挑むが、事の次第では途中でF1を離れることも考えられる。