第16戦ロシアGP予選
トロロッソに復帰して、来季はホンダで戦うクビアト(AP)
トロロッソに復帰して、来季はホンダで戦うクビアト(AP)
【ソチ・オートドローム ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス】トロロッソ・ホンダは29日、フェラーリの開発ドライバー、ダニール・クビアト(24)=ロシア=を来季のレギュラーに起用すると正式発表した。クビアトは元トロロッソで、首脳陣との確執などで昨季途中に解雇された。だが能力は高いため、チームもレッドブルに昇格するピエール・ガスリー(22)=フランス=の後任として、わだかまりを捨てて白羽の矢を立てた。予選はメルセデスのバルテリ・ボッタス(29)=フィンランド=が今季2回目(通算6回目)のポールポジション(PP)を獲得した。

自分は強くなった

 クビアトが苦い過去を乗り越え、一回り大きくなってトロロッソ復帰、レギュラー復帰を果たす。母国GPでの発表に喜びもひとしおだ。

 「今季フェラーリの裏方仕事を通じて多くを学んだ。トロロッソを離れたときと比べて、自分がより強くなり、戦う準備万端だと感じる。再びレースに戻る望みは、決して諦めなかった。チームの期待に応えてベストを尽くしたい。もう待ち切れないよ」

 今までチャンスをいくつも逃してきた。レッドブルの元育成ドライバーで、2015年に20歳で同チームのレギュラーに抜てきされたが、期待に反してクラッシュを連発。精神的に不安定となり、16年中途でマックス・フェルスタッペン(20)=オランダ=にシートを奪われ、トロロッソに降格された。

 これを機に、トロロッソの選手人事を統括するレッドブルのヘルムート・マルコ相談役ら、かわいがってくれた首脳陣との関係も悪化。チームもさじを投げ、昨季終盤には解雇を味わった。今度こそ期待に応えたい−との思いは人一倍だ。

 今回は運がめぐってきた。マルコ相談役はフェラーリの育成選手、アントニオ・ジョビナッツィ(24)=イタリア=とも交渉したが、結局ザウバー入り。レーシングポイントのエステバン・オコン(22)=フランス=もメルセデス育成枠ゆえ選択外。めぼしい若手のいない陣営はクビアトを再び迎えるしかなく、早くから内定が伝えられていた。

もう1枠は不透明

 トロロッソのフランツ・トスト代表は「ダニールには天性のスピードと高い技術がある。苦労しただろうが、レースを離れて、人として成長したはず。それが実力発揮に必ず役立つ。彼の力はまだまだ引き出せる」と歓迎のエールを送った。

 一方、現レギュラーのブレンドン・ハートレー(28)=ニュージーランド=の残留は望み薄だが、もう1席の行方はまだ不透明だ。

 <ダニール・クビアト> 1994年4月26日生まれ、24歳、ロシア出身。GP3王者を経て2014年、トロロッソからF1デビュー。15年にレッドブル昇格を果たすも、16年中途でトロロッソに降格、17年中途に解雇。今季はフェラーリの開発ドライバー。トロロッソで戦うのは来季復帰で3度目となる。最高位2位。