FEは契約解消
トロロッソのチームウエアを着てアブダビのパドックに現れたアルボン(xpb)
トロロッソのチームウエアを着てアブダビのパドックに現れたアルボン(xpb)
 トロロッソ・ホンダは26日、今季のF2でランク3位のアレクサンダー・アルボン(22)=タイ=を、ブレンドン・ハートレー(29)=ニュージーランド=の後任として、来季レギュラーに起用すると正式発表した。日産eダムスから電動車のフォーミュラE(FE)参戦が決まっていたが、契約解消してのF1入り。ダニール・クビアト(24)=ロシア=とコンビを組む。これで来季の全シートが事実上決まった。

タイ国籍2人目

 トロロッソ・ホンダの残る1席がようやく埋まった。アルボンが念願のF1デビューを果たす。タイ国籍のF1ドライバーはマセラティなどから参戦(1950〜54年)した愛称“ビラ王子”ことピーラポンパーヌデート以来で2人目。

 アルボンは「来年のF1を走るなんて、本当に信じられない気分」と喜びをあらわにした。12年にレッドブル育成枠を得るが、早くも翌年に外された経歴がある。16年にGP3でランク2位を獲得し、実力をアピールした。

 「浮沈を味わった。一度はレッドブルから脱落し、F1への道が一気に遠のいた。以降、クルマに乗るたび、活躍できるよう全力を尽くしてきた。チャンスが巡ってきたのは夢のよう」

 本来、来季から3年契約を結んだ日産eダムスでFEに参戦するはずだったが、トロロッソの選手契約を統括するレッドブルが来季の有力候補として目をつけ、日産サイドと交渉。調整は手間取った。

 アルボンとマネジング契約を結び、自らチームに100万ユーロ(約1億2800万円)を投じたダムスのジャン−ポール・ドリオ代表は、資金が回収できないと激怒。契約解消による3年分の補償金として、レッドブルが10倍の1000万ユーロ(約12億8000万円)を支払うことで、やっと決着した。

 トロロッソのフランツ・トスト代表は「彼は今季F2で4勝を挙げ、ランク3位と活躍した。レースでの追い抜きを見れば、F1を走るのに十分成熟したと分かる」とアルボンを高く評価。「2人の強力な若武者で臨む来季が楽しみだ」とコメントした。

 残留を望んでいたハートレーだが、わずか1年でのシート喪失が確定。今月のF3マカオGPで2連覇の快挙を達成したダニエル・ティクトゥム(19)=英国=も後任候補に挙がったが、時期尚早と判断されたもようだ。チームは、ともに挫折を経てファミリーに戻ったアルボンとクビアトの奮起にかける。 (ルイス・バスコンセロス)

 <アレクサンダー・アルボン> 1996年3月23日生まれ、22歳。ロンドン生まれのタイ国籍。8歳でカートを始め、2012年にレッドブル育成ドライバー。16年のGP3でシャルル・ルクレール(今季ザウバー)に次ぐランク2位を獲得。F2は17年に同10位、今季はポールポジション3回、4勝で同3位と活躍。身長186センチ。