病院から動画でメッセージを送ったグロジャン(本人のインスタグラムより)
病院から動画でメッセージを送ったグロジャン(本人のインスタグラムより)
 バーレーンGPスタート直後の大クラッシュで炎に包まれ、病院に運ばれたハースのロマン・グロジャンは、一夜明けてインスタグラムで元気な姿を伝えた。

 「僕は大丈夫。数年前にハロ(運転席保護装置)の導入に反対したけどF1で最高のものだ。もしハロがなかったら、こうして話せていない」。肋骨(ろっこつ)の骨折と両手のやけどで済み、F1車両の安全性の高さに救われたことを強調した。

 ガードレールにぶつかったグロジャンの車両は運転席とエンジン部分が切り離され、爆発的な炎が上がった。グロジャンは自力で脱出したものの、運転席部分はガードレールを突き抜けていた。ハロが装着されていなければ、頭部などに致命的なダメージを負っていた可能性が高い。

 F1ではクラッシュで炎上する事故はしばらく起きていなかった。1988年のサンマリノGPで、当時フェラーリに在籍していたゲルハルト・ベルガーさんが壁に激突し、炎に包まれた事故があった。この時は約20秒で救出され、肋骨骨折と両手のやけどで済んだ。その後は車両などの安全性が高まり、選手の生死が心配されるような火災事故は影を潜めた。

 F1運営会社のロス・ブラウン・モータースポーツ責任者はフランス通信社に対し、「徹底的な調査を行う」と明言。大火災が起き、車両がガードレールを突き抜けたことを問題視した。「あんな事故はしばらく見ていなかった。ガードレールを突き抜けていれば普通は致命傷を負っている。グロジャンを救ったハロは疑う余地のない装置だ」と締めくくった。

代役にピエトロ・フィッティパルディ

 ハースは30日、次戦サヒールGP(12月6日決勝)で、負傷したグロジャンの代役に、テスト&リザーブドライバーのピエトロ・フィッティパルディ(24)=ブラジル=を起用すると発表した。F1デビューとなる。

 ピエトロは1972、74年のF1王者エマーソン・フィッティパルディの孫。米インディカーや日本のスーパーフォーミュラの出場経験もある。ハースでは2018、19年にテスト参加したが、グランプリは初めて。

 チームのギュンター・シュタイナー代表は「ピエトロは過去2年、テスト&リザーブドライバーを務めており、彼を起用する決断は簡単だった」とコメントした。