【リスボン=ルイス・バスコンセロス】新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が続く中、伝統のF1モナコGP(5月23日決勝)を主催するモナコ自動車クラブ(ACM)は、何としても開催にこぎつける考えだ。走行距離を大幅に短縮しながらも、世界ラリー選手権の開幕戦モンテカルロラリーを実施したばかり。余勢を駆り、昨年やむなく中止したF1も観客数を抑えての開催を目指す。市街地コースの設営が必要なため、4月初旬が決断の最終期限となる。

注目集める絶好機も…

 ACMが躍起だ。今年は歴代F1マシンを用いた2年に1度のモナコヒストリックGPを4月23〜25日に、電動車シリーズ「フォーミュラE」のモナコ大会を5月8日に開催予定。世界三大レースの一つに数えられるモナコGPと合わせ、初夏の5月をレースで彩り、世界の注目を集めたいとの願いがある。

 今月の欧州メディアによるグランプリ中止報道を受け、「モナコGPは予定通り開催するつもりだ」と異例の反論声明を出したばかり。協賛各社には「必ずやるから」と説明しており、広告掲示場所や、港から観戦するためのヨット貸し出し、リムジンサービスなどの販売・準備に着手した。

 もちろん感染防止策の充実にも余念がない。現地では「スタンドで互いに十分な距離が保てるよう、観客席を半分に減らす」と報じられている。国境に検問を設け、市街地コース脇のビルなどから観戦しようとする人々の入国を絞る可能性もあるという。

 レースは海沿いを駆け抜けるため、グランプリ期間中に海からヨットで入って来る人々をどう抑えるかも検討中。さまざまな難題が横たわり、開催へのハードルは決して低くない。

 24日のモンテカルロラリーの表彰式にはアルベール2世公が出席し、勝者のセバスチャン・オジエ(トヨタ)を祝福した。モータースポーツは国としても世界にアピールする絶好機だが、今後の見通しはパンデミックの行方に左右される。

コース設営に時間必要

 市街地コースでのレースのため、設営などの開催準備に常設サーキットより多くの時間が必要。なんとかゴーサインを出すのか、再び涙をのんで見送るのか−。5月下旬のグランプリから逆算すると、決断を下すデッドラインは4月初旬だ。