海沿いに細長く展開するジッダ市街地サーキット(AP)
海沿いに細長く展開するジッダ市街地サーキット(AP)
(F1第21戦サウジアラビアGP フリー走行 3日 ジッダ市街地サーキット、ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス)

 F1初開催のジッダ市街地サーキットがついにベールを脱いだ。「F1史上最高速の市街地サーキット」をうたうだけに、フリー走行を行った選手たちの評判も上々。突貫工事の影響が心配された路面状況は予想ほどひどくはないものの、コース幅が狭く、ランオフエリアも小さいため、トラフィック(コース上の混雑)や大クラッシュを懸念する声が上がった。フリー1、2回目ともにメルセデスのルイス・ハミルトン(36)=英国=が最速タイムを記録した。

 今大会で出走287戦目を迎えるハミルトンが初走行を終え、声を弾ませた。「速い。信じられないほど速い。リズムに乗れさえすれば、本当に素晴らしいコースだ」。同じく278戦目となるアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルも「速いね! 走りがいがある」と口をそろえた。

 ジッダは平均時速250キロ超とされ、イタリア・モンツァに次ぐF1カレンダーで2番目の高速サーキットと言われる。コーナーは27を数えるが、角度が緩いため全開で抜けていく場所も多い。348戦目に挑むアルファロメオのキミ・ライコネンは「正直言って半分ぐらいは『コーナー』じゃなくて『ストレート』だね」と評した。

 前評判通りの速さの一方で、路面状況は良い意味で予想を裏切った。サーキットの完成が大会直前までずれ込んだため、路面に油が浮き出て走りにくくなる事態が懸念されたが、杞憂(きゆう)に。ハミルトンは「最初からグリップ(接地力)はかなり高かったよ」と太鼓判を押した。

 初日にコース特性の“餌食”になったのが、フェラーリのシャルル・ルクレールだ。フリー2回目の終了間際にターン22でスピンし、バリアーに突っ込んでマシンを大破させた。「トラックは気に入ったし、一番好きなのは高速セクション周りだけど、あそこでミスは許されないね」。コースのすぐ脇に壁が迫るため死角も多く、わずかなミスが命取りになる。同チームによると、幸い車体とパワーユニットに問題はないという。

 市街地コースが得意なレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスは「ルクレールを見ても分かるようにミスが高くつく。コース上に留まらないと」と教訓を胸に刻んだ上で「予選はトラフィックに悩まされそう。アタックにいくタイミングの見極めが大事だね」と指摘した。死角が多いため、フリー走行でも、マシン同士の衝突寸前の場面が続出。予選では他車の動向をにらみつつ、クリーンにアタックできるタイミングを指示するチーム力も問われそうだ。