フェルスタッペン(左)に追突したハミルトン(Red Bull Content Pool)
フェルスタッペン(左)に追突したハミルトン(Red Bull Content Pool)
(F1第21戦サウジアラビアGP 決勝 5日 ジッダ市街地サーキット、ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス)

 メルセデスのルイス・ハミルトン(36)=英国=が3連勝を飾り、2位に入ったレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(24)=オランダ=とのチャンピオン争いで、ついに同点に追い付いた。多くのクラッシュ、2度の赤旗中断という波乱のレースを制し、今季8勝目(通算103勝目)。激しい攻防の中で、ライバル2人が接触するアクシデントもあった。雌雄を決する最終戦アブダビGP(12日決勝)はさらに熱い展開が予想される。

 トップチェッカーを受けたハミルトンが振り返った。「28年間レースをしてきたが、本当に厳しい、難しい戦いだった」。マシンを降りてスタッフらと喜びを爆発させると、裏手に回ってへたり込み、タオルで顔を覆う。疲労困憊(こんぱい)でようやくつかみ取った勝利だった。

 序盤に2度の赤旗中断があり、4台がリタイア。2度の再スタートを経て、18周目にはトップのフェルスタッペンと、2番手のハミルトンが抜け出した。

 問題のアクシデントは37周目に発生した。ターン1の攻防でシケインを突っ切ってトップを守ったフェルスタッペンが、チームの指示を受け、ターン26で「追い抜かせるため右に寄ってシフトダウンした」。ところが、ハミルトンは「聞いていなかった。急に減速されて、すごく混乱した」と追突してしまった。

 42周目にはフェルスタッペンがトップを譲ったように見えたが、すぐに抜き返す。43周目に完全に抜き去ったハミルトンはレース後、「(37周目も)DRS(空気抵抗低減装置)ゾーンの手前で先に行かせ、すぐに抜き返す戦略だったのさ」と相手のやり方を非難。一方のフェルスタッペンもショートカットで5秒、衝突で10秒のペナルティーを科され、「今のF1はレースより、ペナルティーで決まるんだ」と不満たらたらだった。

 後味の悪さを残した一戦を終え、タイトル争いの決着は最終戦に持ち込まれる。今季21戦を経て369・5ポイントで完全に並んだ両雄。先着した方がチャンピオンという分かりやすい構図となった。

 歴代単独最多8度目の王座を狙うハミルトンは「ファンもこれまで以上に楽しんでいるだろうし、ドライバーの僕も楽しんでいる」と余裕の表情。最終戦でともにノーポイントだった場合、勝利数の差で初戴冠となるフェルスタッペンは「エキサイティング。開幕戦と同じように戦うよ」と気合を入れ直した。