ホンダF1マネジングディレクター(MD)として、ホンダの30年ぶりドライバーズ王者獲得に貢献した山本雅史さん(57)が、今月末で退社後、自ら立ち上げた新会社「MASAコンサルティング・コミュニケーションズ」で新たなスタートを切ることが29日、明らかになった。

 新会社はすでにレッドブル・パワートレインズ(レッドブルの新たなエンジン開発子会社)と契約を結んでおり、レッドブルF1チームのヘルムート・マルコ相談役、クリスチャン・ホーナー代表の求めに応じてコンサルティング業務を行い、サポートする。

 山本さんは「大きくいえば、日本との橋渡し。ホンダはもちろん、他の日本企業がレッドブルと一緒に仕事をする際、レッドブルに日本文化を説明しながら、良い関係を築くお手伝いをするのが主な業務」と説明。「コミュニケーションを大事にし、多くの人たちが生き生きと仕事できる環境づくりを提供したい」と意気込む。

 ただ、今後は家族との時間を大切にしたいことから、F1全戦には帯同せず、日本をベースに「現場での仕事は海外5戦プラス鈴鹿(日本GP)の6戦程度になる」という。

 一方、これまで山本さんは、ホンダの育成システムにも大きな影響を与えてきた。日本でF4を戦っていた角田裕毅をマルコ相談役に紹介し、欧州でのテストへ送り込んだのも山本さん。その流れから、新会社は世界へ羽ばたこうとする日本の若手発掘も担うことになりそうだ。

 レッドブルとの“架け橋”を目指すという今後の活動について、ホンダの上層部からも激励されたという。ホンダは今季以降もレッドブル・パワートレインズを支援していくことになっている。

(尾張正博=F1ジャーナリスト)