予選後の取材に応じる角田(尾張正博撮影)
予選後の取材に応じる角田(尾張正博撮影)
(F1最終戦アブダビ予選 25日 ヤスマリーナ、ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス)

 アルファタウリの角田裕毅(23)が、会心の一発を決めた。今季4度目の最終Q3進出を果たし、自己ベストを更新する予選6番手。今季限りで勇退するチームのフランツ・トスト代表(67)に3年間の成長ぶりを披露し、「最高です!」と声を弾ませた。新人だった2年前、自己ベストの4位に入った当地で大駆けを狙う。レッドブルのマックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=が、今季12回目(通算32回目)のポールポジションを獲得した。

 角田が第17戦日本GP以来、6戦ぶりに進出したQ3で魅せた。1回目のアタックは中古のソフトタイヤで臨み、1分24秒270で暫定6番手。2回目は新品ソフトで1分23秒968まで縮め、ポジションを守った。

 「新品タイヤ1回でいくか、中古タイヤも使って2回でいくか迷っていたら、チームから『2回がいい』とアドバイスをもらった。中古でリズムを崩さないように1回バランスを確認して新品でアタックしたことが、この結果につながった」

 自己最高の6番手は、チームとの共同作業で勝ち取った。予選とほぼ同じ時間帯に行われた初日のフリー走行2回目は15番手。そこからセットアップの改善に努め、クルマの感触がどんどん良くなった。予選前には、トラフィック(コース上の混雑)に巻き込まれないよう確認を徹底。Q1を3番手、Q2を8番手で危なげなく通過すると、Q3でも躍動した。

 「自信を持ってアタックできた。いつも以上にエンジニアとコミュニケーションをとった結果だと思う」と胸を張る。もともと定評のあった一発の速さに加え、ドライバーとしての総合力が着実に増していることを証明してみせた。

 3列目から挑む決勝でのターゲットは、チームが7ポイント差で追う製造者部門7位のウィリアムズ。もし角田がポジションを守り切って6位(8ポイント)に入り、ともにQ3進出を逃したウィリアムズ勢が入賞圏外のままなら、逆転できる。

 恩師のトスト代表とともに戦うラストレース。「自分ができることを全部出し切り、できるだけ高いポジションでフィニッシュしたい。製造者部門7位が取れれば彼への最高のはなむけになる。喜ぶ顔が見たくて」。感謝の熱い思いで決勝グリッドに着く。