一時14番手まで後退
バリチェロはリタイア
苦笑いを浮かべながらパルクフェルメを歩くM・シューマッハー(AP)
苦笑いを浮かべながらパルクフェルメを歩くM・シューマッハー(AP)
 【セパン(マレーシア)鶴田真也、ニキ・タケダ】マシンを止めたM・シューマッハーがぶっきらぼうにグローブをはぎ取った。7位入賞と何とか結果は残したものの、明らかに鈍い走りはとてもチャンピオンとは思えないほど。相当にはらわたが煮えくりかえっていたに違いない。

 「たった2点を取るためにこんなにハードなレースをするとはね。特にこの一つが悪いというわけではない。いい車を持てなかっただけ。僕らはブリヂストンと一心同体。一緒に勝つ時もあれば、一緒に負ける時もあるんだ」と、自戒の念を込めてそんなせりふを吐いた。

 この日のシューはあまりに遅すぎた。ベスト・ラップこそ1分37秒を切ったが、他の周回は38、39秒台がほとんど。午前中の予選2回目から精彩を欠き、決勝でも一時14番手まで後退していた。

 失速の原因はブリヂストン・タイヤとのコンビネーションにあるようだ。シューはハード側のスペックをチョイスしたが、慢性的なグリップ不足に悩み、関係者によれば、前日も開発責任者の浜島裕英MSタイヤ開発室長がフェラーリに呼び出されて叱責(しっせき)されたという。逆にソフトをチョイスしたR・バリチェロはタイヤがすり減ってしまい、自らガレージに入ってリタイアを選択する事態となった。

 「負けるとさすがに疲れる。ポテンシャル的には予選の一発の速さもなく、レースの巡行タイムも足りなかった。グリップがなかったということにつきる」と浜島室長も困り果てる。

 ヨーロッパ・ラウンドから投入予定の今季型車「F2005」はタイヤとのマッチングがいいといわれており、シューも「年内には必ず勝てる」とまだ余裕を残しているが、実戦デビューさせるためには一刻も早い熟成が必要だ。

 V8を目指す帝王には、苦難の道が当分続きそうだ。