ホンダ29年ぶり栄冠へ!強力PU投入
2020年のF1世界選手権が3日、新型コロナウイルスの影響により、約4カ月遅れでようやく開幕する。第1戦はオーストリアGP(5日決勝)。本格的な王者争いを目指すレッドブル・ホンダが、強豪メルセデスらとどう渡り合うか注目だ。無観客、相次ぐダブルヘッダー、厳格な感染防止対策など、まさに未曽有のシーズン。世界最速の称号をかけ、10チーム20人のドライバーの戦いが始まる。
◇ ◇ ◇
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(22)=オランダ=が、いよいよ今年、初の王者獲得に挑む。
昨年はシーズン3勝を挙げ、ランキング3位と上り調子。パワーユニット(PU)を提供するホンダとのタッグも2年目となり、今季型車「RB16」も、レッドブルの空力性能に優れた車体と、進化したホンダPUがうまく最適化を果たしたもよう。機は整った。
「全レースで勝ちたいね。あんまり長く待たされたから、早く戦いたくてウズウズしてるんだ。もう休みなんか要らないよ。連戦の過密スケジュールだって平気で戦い抜くさ」と笑顔を見せる。
新型コロナの影響で、今季開幕戦がチームの地元、自身も得意とするレッドブルリンクとなり、まさに追い風だ。フェルスタッペンはオーストリアGPで現在2連勝中。コースとチームのマシンは相性が良く、ここでどう勝てばいいか体で分かっている。
だから、メルセデス、フェラーリ、そして同僚のアレクサンダー・アルボンが6月に肩慣らしの事前テストを行った中、3強チームでただ一人、ぶっつけ本番で開幕に臨むことにも、不安を感じない。「初日にコースを4?5周走れば、十分にF1マシンの感触は取り戻せるよ」と断言。強い自信をにじませた。
F1復帰6年目を迎えるホンダにとっても、オーストリアは昨年に、13年ぶりの優勝を果たした験の良いグランプリ。今季、幸先の良いスタートを切る絶好のチャンスといえるだろう。
浅木泰昭PU開発総責任者は「すごく期待している。今年こそPUでメルセデスに何としても追いつく。どっちが勝ってもおかしくない1年を過ごし、チャンピオンを取りたい」と意欲満々。
アイルトン・セナが制した1991年(マクラーレン・ホンダ)以来、29年ぶりの栄冠を狙い、王者メルセデスとの真っ向勝負を見据える。新型コロナで日本GPが中止となった分、タイトルを取って悔しさを晴らしたい。
土壇場で中止された当初の開幕戦、3月のオーストラリアGP時点のスペック1よりも進化した「スペック1・1」を用意し、若武者を強力にバックアップ。今季は開幕時のPUで開発が凍結され、同じ仕様で最終戦まで戦うが、手応えは上々の様子だ。
昨年のオーストリアでフェルスタッペンは怒濤(どとう)の追い抜きを披露。ドラマチックな逆転勝利に、スタンドを埋める地元ファンは沸きに沸いた。今年は寂しい無観客レースだが「勝つことしか考えてないから」と揺らぐ気配はない。フェラーリのセバスチャン・ベッテルが持つ史上最年少王者の記録(23歳134日)を塗り替える最後のチャンス。初戦から一気に攻め込む。
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レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(22)=オランダ=が、いよいよ今年、初の王者獲得に挑む。
昨年はシーズン3勝を挙げ、ランキング3位と上り調子。パワーユニット(PU)を提供するホンダとのタッグも2年目となり、今季型車「RB16」も、レッドブルの空力性能に優れた車体と、進化したホンダPUがうまく最適化を果たしたもよう。機は整った。
「全レースで勝ちたいね。あんまり長く待たされたから、早く戦いたくてウズウズしてるんだ。もう休みなんか要らないよ。連戦の過密スケジュールだって平気で戦い抜くさ」と笑顔を見せる。
新型コロナの影響で、今季開幕戦がチームの地元、自身も得意とするレッドブルリンクとなり、まさに追い風だ。フェルスタッペンはオーストリアGPで現在2連勝中。コースとチームのマシンは相性が良く、ここでどう勝てばいいか体で分かっている。
だから、メルセデス、フェラーリ、そして同僚のアレクサンダー・アルボンが6月に肩慣らしの事前テストを行った中、3強チームでただ一人、ぶっつけ本番で開幕に臨むことにも、不安を感じない。「初日にコースを4?5周走れば、十分にF1マシンの感触は取り戻せるよ」と断言。強い自信をにじませた。
F1復帰6年目を迎えるホンダにとっても、オーストリアは昨年に、13年ぶりの優勝を果たした験の良いグランプリ。今季、幸先の良いスタートを切る絶好のチャンスといえるだろう。
浅木泰昭PU開発総責任者は「すごく期待している。今年こそPUでメルセデスに何としても追いつく。どっちが勝ってもおかしくない1年を過ごし、チャンピオンを取りたい」と意欲満々。
アイルトン・セナが制した1991年(マクラーレン・ホンダ)以来、29年ぶりの栄冠を狙い、王者メルセデスとの真っ向勝負を見据える。新型コロナで日本GPが中止となった分、タイトルを取って悔しさを晴らしたい。
土壇場で中止された当初の開幕戦、3月のオーストラリアGP時点のスペック1よりも進化した「スペック1・1」を用意し、若武者を強力にバックアップ。今季は開幕時のPUで開発が凍結され、同じ仕様で最終戦まで戦うが、手応えは上々の様子だ。
昨年のオーストリアでフェルスタッペンは怒濤(どとう)の追い抜きを披露。ドラマチックな逆転勝利に、スタンドを埋める地元ファンは沸きに沸いた。今年は寂しい無観客レースだが「勝つことしか考えてないから」と揺らぐ気配はない。フェラーリのセバスチャン・ベッテルが持つ史上最年少王者の記録(23歳134日)を塗り替える最後のチャンス。初戦から一気に攻め込む。
ハミルトン、ブラックメルセデス駆る
7度目のタイトルへ
フェルスタッペンの挑戦を受けて立つのは、メルセデスの王者ルイス・ハミルトン(35)=英国=だ。昨季は自己ベストタイの11勝を挙げ、6度目の王者を獲得。今年は、ミハエル・シューマッハーが持つ史上最多7度のタイトルに並べるか、大記録がかかる。
6月には英シルバーストーンサーキットでのチームのプライベートテストで2年落ち車両をドライブ。3カ月半ぶりにF1マシンの感触を確かめた。「体調は良い。開幕への準備は整っている」とキッパリ。チームは開幕に今季型「W11」の大幅な改良版を持ち込む見込みで、今年も戦闘力は高そうだ。
ここ1カ月ほどは、米国での白人警官による黒人男性の暴行死をきっかけに、根強い人種差別への怒りを発信し続けた。抗議デモへの参加、団体立ち上げ…。チームもハミルトンを支持し、人種差別反対を掲げて、マシンのカラーリングを急きょシルバー基調からブラックに大転換。
新たなブラックメルセデスを駆り、怒りのメッセージを込めて今季の戦いへ挑む。
6月には英シルバーストーンサーキットでのチームのプライベートテストで2年落ち車両をドライブ。3カ月半ぶりにF1マシンの感触を確かめた。「体調は良い。開幕への準備は整っている」とキッパリ。チームは開幕に今季型「W11」の大幅な改良版を持ち込む見込みで、今年も戦闘力は高そうだ。
ここ1カ月ほどは、米国での白人警官による黒人男性の暴行死をきっかけに、根強い人種差別への怒りを発信し続けた。抗議デモへの参加、団体立ち上げ…。チームもハミルトンを支持し、人種差別反対を掲げて、マシンのカラーリングを急きょシルバー基調からブラックに大転換。
新たなブラックメルセデスを駆り、怒りのメッセージを込めて今季の戦いへ挑む。
ベッテル花道飾る
跳ね馬ラストイヤー
3月のオーストラリアでの開幕が流れた後、フェラーリのセバスチャン・ベッテル(33)=ドイツ=は、今季限りで離脱が決定。来季の行き先未定で引退もうわさされる中、4度のF1王者が、跳ね馬でのラストイヤーにどんな走りを見せるのか注目される。
昨季1勝のみと精彩を欠き、事実上、同僚のシャルル・ルクレール(22)=モナコ=にエースの座を奪われた。離脱発表の際、「チームと私は、来季も共に働きたい気持ちがなかった」と悔しさをにじませており、モチベーションの維持やチーム内の齟齬(そご)が懸念される。
とはいえ、6月のプライベートテストでは「爽快だった」と語った。15年にレッドブルから移籍して以来、無冠。今年こそ再び王者に輝き、花道を飾りたい。
昨季1勝のみと精彩を欠き、事実上、同僚のシャルル・ルクレール(22)=モナコ=にエースの座を奪われた。離脱発表の際、「チームと私は、来季も共に働きたい気持ちがなかった」と悔しさをにじませており、モチベーションの維持やチーム内の齟齬(そご)が懸念される。
とはいえ、6月のプライベートテストでは「爽快だった」と語った。15年にレッドブルから移籍して以来、無冠。今年こそ再び王者に輝き、花道を飾りたい。
ルクレール、闘志に火!
今季はメルセデスとレッドブル・ホンダの一騎打ち−と予想の声がF1界で聞かれる中、ルクレールを忘れるわけにはいかない。跳ね馬史上2番目の若さで加入した昨年、2勝&7PPとベッテルを抑えてランク4位。コロナ休業の間は、専らバーチャルレースで活躍したが、「いよいよ実戦。ガチの勝負だよ」と闘志むき出しだ。今季型車「SF1000」を駆り、フェルスタッペンと並ぶ次代の王者候補として、ハミルトンに世代交代を迫る。