ドライバー&スタッフにただただ感謝
第6戦スペインGP編
琢磨をねぎらう亜久里代表。ドライバーのためにもハード・ワークを惜しまない覚悟だ(カメラ=神代雅夫)
琢磨をねぎらう亜久里代表。ドライバーのためにもハード・ワークを惜しまない覚悟だ(カメラ=神代雅夫)
 スペインGPのスーパーアグリ。フランク・モンタニ(28)はマシン・トラブルでリタイアしたものの、佐藤琢磨(29)がヨーロッパに入って初めて完走、トップから4周遅れの17位でフィニッシュした。ドライバーの奮闘にただただ感謝する鈴木亜久里代表(45)だが、いまは現状打破のため新車SA06の開発に集中。「いまは耐えるだけ」と、苦境のなかで歯を食いしばっている。

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 今回のスペイン・グランプリはヨーロッパ・ラウンドに入って3戦目で初めて完走したレースとなったが、疲れた1戦だった。

 佐藤琢磨が頑張って完走してくれたのだが、モンタニは右ドライブ・シャフトのジョイント部分が壊れてリタイア。トラブルなしにピット・ストップもきっちり決めて2台ともフィニッシュさせたかっただけに、かなりイメージと違ったレースになってしまった。ヨーロッパに来てからどうも歯車が合ってない。

 琢磨はスタートでモンテイロに寄せられてダートに入ってしまったが、まったくアクセルを戻さずしっかり前に出た。その後スピンしてタイヤにフラットスポットを作ってしまい予定外のピット・ストップがあったので、本来の2回ストップから3回ストップに作戦を切り替えた。琢磨としてはいっぱいいっぱいの大変なレースだったと思うが、つらい状況のなかで今回もいい仕事をしてくれた。モンタニは自分のミスではないのにリタイアさせてしまって、申し訳なかったと思っている。

 ドライバーは2人とも精いっぱい走ってくれてるし、メカニックもチーム・スタッフも120%の仕事をしている。そういう彼らの仕事にキチンと応えてくれるクルマを早く準備しなくてはいけないのだが、それができないのは自分の仕事が足りないからだ。

 いま、自分としてもチームとしても難しい時期に入っているところだ。いまのSA05に開発を集中しても大きくパフォーマンスが上がるわけではない。ドライバー、そしてスタッフの努力で、SA05の潜在ポテンシャルは完全に引き出せている。だからこれ以上新しい“タマ”を入れてもパフォーマンス向上は望み薄。一方、新車のSA06もおいそれとはできない。そういう難しい状況がしばらく続く。新車ができるのを待ちながら、耐えて走るしかない。

 次戦モナコはこれまでで一番難しいレースになると断言できる。高速サーキットもつらいが、モナコのような低速サーキットはもっとクルマの性能差が出やすいから、ドライバーは大変だと思う。SA05はパワーステアリングや駆動系に弱点を抱えているばかりでなく、ドライバーのコメントを聞いても分かるように実に乗りにくいクルマ。そういうクルマであのコースを走るのは、ボク自身モナコを走った経験から大変さが想像できる。そういう意味でモナコ・グランプリは、これまでで最もチャレンジングなレースになると思う。

 今回のスペイン・グランプリの舞台となったカタロニア・サーキットは4日間で35万人近いアロンソ・ファンが詰めかけた。ボクたちも鈴鹿へ帰ったら多くのファンの声援を受けるだろう。その時のためにモナコもしっかり戦っていきたい。(鈴木亜久里)