全日本ロードレース選手権は三重県・鈴鹿サーキットでシリーズ最終戦を迎えた。

レースウイークを通じて秋晴れに恵まれ、2022年シーズンを締めくくるのにふさわしいコンディションのもと各ライダーは、全力を尽くした。

ST1000クラスの高橋裕紀は、トップから12ポイント差、ST600クラスの小山知良は16ポイント差と逆転チャンピオンは厳しい状況となっていたが、2人とも、とにかく勝つことだけを考えて黙々と作業に集中した。

一方、J-GP3クラスの岡崎静夏は、オートポリス、岡山国際で、マシンのフィーリングはよくなっていたこともあり、そのまま鈴鹿を走り出すことにしたが、結果的に、この判断はよくない方向に行ってしまう。

大幅にジオメトリーを変更して臨んだ小山だったが、走り始めからフィーリングはよかったものの1発タイムを出せないでいた。

そこで昨年実績のあるリアサスペンションの仕様を試したところタイムアップできたため、公式予選では単独走行で2分11秒204を出し2番手とレースに向けていい手応えをつかんでいた。

高橋もリアサスペンションの仕様違いを事前にスポーツ走行でテストし、レースウイークに入ってセットを順調に進めていった。

公式予選では、タイムアタック中に赤旗が出てしまい、タイヤの一番いいときを逃してしまい6番手となるが、予選セッション終盤や決勝日朝のウォームアップ走行を使い、サスペンションやジオメトリーの細かいアジャストを行いレースを迎えていた。
最終ラップにポジションを上げて12位でゴール
日曜日も快晴となった鈴鹿サーキット。

この日、最初のレースとなったJ-GP3クラス。

岡崎は、予選までにタイムを出せず20番手に沈んでいたこともあり、決勝に向けて大きくマシンセットを変更。

これが、いい方向にいきレースでは、攻めの走りを見せる。

赤旗中断をはさみ、残り5周の超スプリントレースとなったが、集団の中を冷静に戦い、最終ラップにポジションを上げて12位でゴールしている。
小山の絶妙なスタートで始まったST600クラス決勝
ホールショットを奪うと、S字コーナーで2台にかわされ3番手に下がるもののトップグループにつけ周回を重ねていく。

レースも押り返しを過ぎた7周目に入っていく時点で小山は荒川選手につぐ4番手を走っていたが、荒川選手のペースが落ちてくる。

これを見た小山は、早く荒川選手をかわしたいところだったが、なかなかかわせない。

8周目のスプーンカーブ進入でかわすが、130Rで抜き返される。

続く9周目の1コーナーで小山は再び3番手に上がるが、前との差がついてしまっていた。

ここから追撃態勢に入った小山は、國井選手のテールを捉えると12周目の1コーナーでパスし、さらにトップを追っていくが、惜しくも届かず2位でゴール。

シリーズランキングも2位となったが、全力を尽くした結果だ。
2列目から好スタートを切りホールショットを奪う
そしてST1000クラスのスタートを迎える。

高橋も2列目から好スタートを切りホールショットを奪うが2コーナーでは國峰選手に、S字コーナー進入では南本選手にかわされ3番手に下がりオープニングラップを終える。

序盤はマシンの状態も確認しながらのため、慎重にならなければならない部分もあったが、12周という短期決戦だけに気は抜けない。

3周目には渡辺選手にかわされ4番手となるが、トップグループにつけ周回を重ねていく。

そして7周目にレースが動く。

渡辺選手がバックストレートでトップに立ち、國峰選手もシケインで南本選手をかわしていく。

これに高橋も続き、8周目の1コーナーで南本選手の前に出て3番手に浮上。

前では渡辺選手と國峰選手がバトルを繰り広げていたが、高橋もシケインで國峰選手の前に出て2番手に浮上。

トップを走る渡辺選手を何とかかわそうとパッシングポイントを探っていく。

そしてファイナルラップを迎える。

コーナー立ち上がりで離されていたが、ブレーキングでは勝負できる。

最後のシケインで仕掛けるため、スプーンカーブ立ち上がりでマシンをお越しタイヤをグリップさせながらアクセルを開けていく。

バックストレートで離されなければイケる! と思った瞬間、僅かにリアタイヤがコース外に出てしまい加速が鈍ってしまい万事休す。

3番手にポジションを落とし、そのままゴール。最後まで勝ちを狙った結果だった。
コメント
◆小山知良コメント

荒川選手のペースが下がったときに井手選手と國井選手が逃げてしまい、國井選手はかわすことができたのですが、井手選手には届かなかったので悔しい展開になりましたが、2位表彰台で終われたことは、よかったと思います。

SUGOのレース2、オートポリスと赤旗に泣かされましたし、シーズンを振り返ってみると“速さ”と“強さ”だけではチャンピオンを獲れないことを改めて実感しました。

どんな状況でも結果を残せるように、まだまだ努力していかないといけませんね。

今シーズンもチームの頑張りのおかげで多くのことを学べました。

また日本郵便さんを始め、ファンの皆さん、応援ありがとうございました!


◆高橋裕紀コメント

とにかく勝ってシーズンを終えたい気持ちが強かったので悔しいですね。

チャンピオンシップ的には、渡辺選手と國峰選手とバトルをしている時点で、その可能性は、ほぼない状態でしたし優勝を狙っていましたが、最後は自分のミスで逃してしまいました。

今シーズンは、渡辺選手と國峰選手に引き離されてしまうレースが続いていたので、最後の最後にしっかりレースができたことは前進でしたし、チームを始めSHOWAさん、NISSINさんに感謝したいですね。

日本郵便さんを始めファンの皆さんにも応援していただき励みになりました。

ありがとうございました!


◆岡崎静夏コメント

今シーズンは、思うような結果を出せないまま終えることになってしまいましたが、日本郵便Honda Dream TPに加入させていただき、手島監督を始め、小山選手、高橋選手という偉大なチームメイトにアドバイスをいただき課題が見えてきました。

結果を出せずに悩んでいるときに日本郵便の皆さん、ファンの皆さんに励まされたことが力になりました。

まだまだレーシングライダーとして成長できることがあると思うので、それを実行できるように、シーズンオフのうちにトレーニングをしっかりやって2023年に備えます。

今年も多くの応援ありがとうございました!


◆手島雄介代表コメント

まず日頃よりご支援いただいております日本郵便株式会社、Honda Dream、NTTコミュニケーションズの皆さまを始め、多くのスポンサー様に御礼申し上げます。

今、世界ではコロナをはじめ、戦争等でたくさんの方々が苦しい思いをされている中、我々はレースに参戦させてもらえていることに感謝申し上げます。

今シーズンの最終戦となった鈴鹿大会は、失うものは何もない挑戦者としてチーム一つにぶつかっていった大会でした。

想えば今シーズンは常に向かい風のような大会ばかりで、思い通りにいかないときも多かったシーズンでした、でもどんな時も皆様に頂く応援の力があったからこそ最終戦までチャンピオン争いができ、今大会は「日本郵便HondaDream」らしい雑草魂感のあるレースを戦えました。

有難うございました。

「向かい風の時こそ飛行機は高く飛ぶ」という言葉のようにチームと応援頂いている皆様とは、高く飛ぶためにまた一つファミリーが強くなったと信じております。

レースはオフシーズンに入りますが、来シーズンに向けての戦いはすでに始まっております、我々の価値をより皆様にお届けできるよう今後も精進致します。

今後も宜しくお願い申し上げます。