手を振り合う地元住民とラリードライバー=豊田市武節町で<br />
手を振り合う地元住民とラリードライバー=豊田市武節町で
 世界ラリー選手権(WRC)の日本ラウンド「ラリージャパン」が四日間にわたり開かれた愛知、岐阜両県。五つの競技エリアと車両整備・保管の拠点が設けられた豊田市には、連日大勢のファンが来場。二〇一〇年の北海道大会以来、十二年ぶりに国内で開催されたラリーの醍醐味(だいごみ)を堪能した。「車の街、豊田」の魅力発信を目指した市も大きな手応えをつかんだようだ。 (大谷津元)

 競技コースが置かれた稲武や下山、旭地区は市内でも過疎化が進む中山間地域。世界が注目する大会に、地元住民らの熱も高まった。各地区では観戦者を料理や演奏でもてなしたり、住民限定の見学会を開催したりした。

 競技エリア内に自宅がある同市羽布町の原田三希子さん(42)は「地域の活性化につながり、子どもにも夢を与えられる」と笑顔だった。移動区間の「リエゾン」では、公道を低速で通過するラリーカーに地元の子どもたちが声援を送った。

 各競技エリアの観戦チケットは発売直後に完売したが、車両を整備・保管する豊田スタジアムの「サービスパーク」は当日券で入ることができ、来場者は四日間で計五万九千人に上った。ドライバーと直接交流することもでき、ファンらは写真撮影やサイン会を楽しみ、ラリーを身近に感じていた。

 県外からの観客も多く、東京都八王子市から訪れた古庄歩(ふるしょうあゆむ)さん(54)は「街中の景色やラリーに協力する市民の姿が良かった」と話した。

 豊田市は来年以降、岐阜県恵那市と協力してラリージャパンの開催を目指している。豊田市ラリーまちづくり推進課の塚田知宏課長(50)は「観光資源として継続的に育てていきたい」と意気込む。

 一方で課題も見つかった。ラリーカーが移動区間の公道で無理な追い越しをする光景は、記者も実際に目撃した。警察にも交通規則違反の通報や、沿道ギャラリーの路上駐車に関する苦情が寄せられたという。

 地元の理解あってのラリー開催。継続的な開催を目指すならば、競技者、観戦者ともに法令順守やマナー向上に、より高い意識が求められる。
観戦する人たちの前を高速で通過するラリーカー=豊田市羽布町で<br />
観戦する人たちの前を高速で通過するラリーカー=豊田市羽布町で