ホンダは19日、三部(みべ)敏宏専務(59)=写真=が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。八郷隆弘社長(61)は取締役となり、6月開催の株主総会で退任する。トップ交代は6年ぶり。

 世界で脱ガソリン車の動きが強まる中、環境関連技術に明るい三部氏を社長に据え、電気自動車(EV)など電動化への対応を加速させる。

 三部氏は1987年入社。2019年にはトップへの登竜門とされる子会社、本田技術研究所の社長に就き、四輪車や先端技術の研究開発を主導してきた。東京都内で開いた記者会見で、業界の大転換期に対応するため、必要であれば「外部の知見活用をちゅうちょなく実行する」と語った。

 八郷氏は会見で、三部氏を後任に選んだ理由を「私よりバイタリティーがある。環境対応についてもエキスパートだ」と説明。三部氏は自身について「激動の時代に向いている方だ。重責も感じているが同時にわくわくもしている」と述べた。

 八郷氏は課題だった四輪車事業の収益改善のため、狭山工場(埼玉県狭山市)や英国南部スウィンドン工場の閉鎖を決定。自動車F1シリーズからの撤退も決めるなど、拡大路線からの転換を図った。電動車の開発では米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と提携を拡大し、コスト削減で生まれる経営資源を先端技術の開発に投じる方針を示した。