やや押し出し感の強いノアのエアロモデル
やや押し出し感の強いノアのエアロモデル
 今年初めに約8年ぶりに全面改良されたトヨタの主力ミニバン「ノア/ヴォクシー」に乗る機会に恵まれた。先代はシリーズ合計で140万台以上の販売を記録した超人気モデルだ。4代目となる新型は基本性能の向上を図りながら、先進の運転支援装置をフル装備。時代の変化にしっかり対応し、ユーザーが求める正常進化を果たした。

 存在感のあるフロントグリルは、穏やかな雰囲気の「ノア」、やや打ち出し感の強い「ノアエアロ」、野性的な「ヴォクシー」と、三つの個性を持たせた。好みは分かれるだろうが、全体的にはオーソドックスな印象を抱く。

 最大の魅力は基本骨格を一新し、ボディー剛性を上げたことだ。その成果は走り出した瞬間に感じられ、よく動くサスペンション特性と相まって安心感をもたらしてくれる。直進安定性も強く、高速道路をゆったり走るには持ってこいだろう。

 特筆すべきは、運転支援システムの充実だ。さまざまな場面でのブレーキ支援や、高速道路で追従走行するオートクルーズなどが盛り込まれた「トヨタセーフティセンス」の充実度を増して、全車に標準装備された。

 また、スマホで遠隔操作できる自動駐車システム「アドバンスト パーク」や、時速40キロ以下の渋滞時にハンドル操作や加減速を管理する「アドバンスト ドライブ」を備える「トヨタ チームメイト」を新たに採用。オプション設定ながら、未来感覚のある、ちょっと楽しいシステムだ。

 コストをかけずに実現した便利な装置も、いぶし銀の魅力を放つ。後席助手席側ドアの下に出てくる「ユニバーサルステップ」は機械仕掛けで、オプションながら税込み3万3000円で装着できる。小さな子供やお年寄りの乗り降りには大いに役立つはず。これまでは電気仕掛けで20万円前後もしたが、開発者が頭をひねり、小さな投資で大きな効果をもたらしそう。発売当初でも装着率は30%に達していた。

 ハイブリッドシステムは全ての電動関連部品を刷新し、高効率化が進められた。当初は排気量2リットルのエンジンを予定していたが、コストと燃費を考え、開発途中から低中速域の性能を高めた1.8リットルに変更。その結果、滑らかな加速が気持ち良いクルマに仕上がり、都内のストップ&ゴー続きのルートを30〜40分走って、17.4キロ/リットルの燃費を記録した。

 新しいノア/ヴォクシーは、ケチをつけるのが難しいほどの仕上がりを見せる。値段は267〜396万円。発売時に3万台を超える予約を抱え、今契約しても数カ月待ちという人気ぶりも納得できる。 (田村尚之)
先代モデルよりワンランク上がった感じを漂わせる新型ノアのリアビュー
先代モデルよりワンランク上がった感じを漂わせる新型ノアのリアビュー
ゆったりとくつろげる2、3列目シート(いずれも田村尚之撮影)
ゆったりとくつろげる2、3列目シート(いずれも田村尚之撮影)