豊田章一郎名誉会長のお別れの会で、あいさつする豊田章男会長=東京都千代田区で(木口慎子撮影)
豊田章一郎名誉会長のお別れの会で、あいさつする豊田章男会長=東京都千代田区で(木口慎子撮影)
 トヨタ自動車を世界的なブランドに育て上げた立役者で2月に97歳で死去した豊田章一郎名誉会長のお別れの会が24日、東京都内のホテルで開かれた。岸田文雄首相や経団連の十倉雅和会長らが参列。旧経団連で会長を務めた章一郎さんの遺影が飾られた献花台に、花を手向けた。地元の愛知県豊田市と名古屋市にも会場を設け、全体で約4500人が参列した。

 トヨタ会長で長男の章男氏は東京での式典で、章一郎さんが死去した2月14日が偶然にもグループ創始者の佐吉の誕生日でもあると紹介。「『障子を開けてみよ、外は広いぞ』という佐吉の言葉通り、日本のトヨタから世界のトヨタへ、その礎を築いた」と父をたたえるとともに「トヨタのものづくりと人づくりを継承していくことを誓う」と感極まった。

 章一郎さんはトヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)を設立した喜一郎の長男。1982年にトヨタ自動車販売とトヨタ自工が合併して生まれた現在のトヨタの初代社長に就き、80年代半ばに米ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁生産を米国でスタートさせた。「現地現物」を合言葉に現場を重んじ、世界展開でもお家芸の「カイゼン」にこだわった。