今季は全戦無料ライブ配信
3年前のSF挑戦が貴重な体験だった語るピエール・ガスリー(レッドブル提供)
3年前のSF挑戦が貴重な体験だった語るピエール・ガスリー(レッドブル提供)
 スーパーフォーミュラ(SF)の開幕戦(30日決勝)が、ツインリンクもてぎ(栃木県)でようやく開かれる。新型コロナウイルスの影響で4カ月遅れのシーズンスタートになり、日本の入国規制から複数選手が初戦に出場できない混乱模様ながら、世界からも注目される国内最高峰フォーミュラとしてハイレベルな戦いが予想される。今年からインターネットテレビ局「レッドブルTV」の全戦無料ライブ配信も決定。F1への登竜門として、世界からの注目度はさらに上がることは間違いない。

 F1界からも若手育成の場として熱視線を受けるSFが、今季はさらにその存在感を増すことになった。レッドブルTVの全戦ライブ配信が決まったことで、世界中からそのハイレベルな戦いを観戦できるようになったのだ。

 伊ダラーラ社製ワンメークのSF19はダウンフォース(気流で押さえ付ける力)が強く、F1に迫るコーナリングスピードを誇る。乗り込むドライバーも元F1の実力派から、これからF1を目指す生きの良い若手ばかり。ひとたびレースを目にすれば、洋の東西を問わずとりこになるモータースポーツファンは少なくないはずだ。

 2017年に参戦した現在F1のアルファタウリ・ホンダで活躍するピエール・ガスリーも、3年前の貴重な体験を懐かしそうに振り返る。「マシンにかかるダウンフォースはF1に近く、F1に挑戦する前の素晴らしい体験になった。ホンダとの関係もSFがきっかけだった」。いきなりタイトル争いを繰り広げ、惜しくも0・5ポイント差でチャンピオンを逃したが、翌18年には待望のF1フル参戦をつかんだ。
SF連覇を狙うトムスのニック・キャシディ=3月の公式テストから(多賀まりお提供)
SF連覇を狙うトムスのニック・キャシディ=3月の公式テストから(多賀まりお提供)
 F1参戦3年目を迎えた今季は、中団グループながら予選で速さをアピール。パワーユニットの供給を受けるホンダとの関係も、SF時代に培った経験が大いに生きているという。「(SFでは)日本のカルチャーを学ぶのと同時に、ホンダのエンジニアから常にベストを尽くすことの大切さも学んだ」と振り返る。

 レッドブルでドライバー管理の責任者を務めるヘルムート・マルコ相談役も、若手育成の場としてSFが最適と言う。「SFはスピードのみならず、エンジンの馬力、ダウンフォースともに大きく、ガスリーが示したようにF1にステップアップできる重要なシリーズ」と断言。経験豊富な実力派の日本人選手と渡り合うことも、将来F1に進む若手には最適な修業の場となる。

 ガスリーは「(SFに)出場している選手はみな経験が豊富。とてもレベルが高い戦いができて幸せだった」と締めくくる。今季のSFに出場するドライバーの中にも、第2、第3のガスリーが潜んでいるかもしれない。レッドブルTVを通じて世界が注目している。

  ★スーパーフォーミュラ F1に次ぐカテゴリーとして2013年から現在の名称となったが、1973年にスタートした全日本F2000選手権から続く国内最高峰フォーミュラの伝統を受け継ぐ。現在は伊ダラーラ社製のワンメークシャシーに、トヨタとホンダが開発した排気量2リットルの4気筒直噴ターボエンジンを搭載。最高出力は550馬力以上で、車重はドライバーを含めて670キログラム。タイヤはヨコハマゴムのワンメーク。ピエール・ガスリーの他、ストフェル・バンドーンがSFを経てF1に進んだ。全日本F3000時代にはミハエル・シューマッハーもスポット参戦したことがある。 

 ★レッドブルTV パソコンやテレビに加え、専用アプリをダウンロードすればスマートフォンやタブレットからも視聴できる。SFはレースのライブ中継に加え、繰り返し視聴(ビデオ・オン・デマンド)ができる。解説は日本語と英語。詳細は公式サイトから。SF開幕戦の解説は、現役トップ選手の塚越広大が務めることになった。