赤松孝撮影
赤松孝撮影
 2022年の全日本ロードレース選手権では、岩戸亮介がST1000に「Kawasaki Plaza Racing Team」から参戦することが大きな話題となった。将来を期待される逸材の岩戸亮介だが、新型コロナウイルスの影響で参戦するアジアロードレース選手権(ARRD)が休止となり、過去2年フル参戦がなかった。今季そこからの復帰だったことに加え、スーパーバイク世界選手権(WSB)や鈴鹿8時間耐久ロードレースへの参戦が主なレース活動だったカワサキが、全日本本格フル参戦を開始したからだ。注目を集めた岩戸は、最終ランキング6位でシーズンを終えた。

   ◇ ◇ ◇
 −2019年はチームグリーンからJSB1000参戦、2020年はARRC・ASB1000に参戦も、新型コロナウイルスの影響で開幕戦以降はレースは休止に。その間どう過ごしていましたか?

 岩戸亮介「全日本のオートポリスにはST1000でスポット参戦(2020年9月18日〜19日の第3戦は3位、2021年9月18日〜19日の第7戦は6位)させてもらいましたが、ARRDがいつ再開するかわからなかったので、その準備をしつつ、レース参戦し続けている人たちに遅れないように、モタードやモトクロスなどのトレーニングを続けていました」

 −今季は新チームを結成しての参戦。

 「カワサキの販売店の応援で参戦できることになりました。チーム監督もスタッフも信頼できる人ばかりで、強いチームだと自信も持てました。参戦が決まってうれしかったですし、しっかりと戦わなければと思いました」

 −さらに、そのチームを母体に清末尚樹(全日本ライダー)、岡谷雄太(WSBスーパースポーツ300ライダー)を加え、鈴鹿8耐参戦。SST1000クラスに挑み、総合13位、SSTクラス優勝しました。

 「鈴鹿8耐参戦は4回目、過去3回は大先輩と一緒なチームでしたが、今回は自分が引っ張る立場になりました。自分は清末、岡谷選手とは面識がありましたが、そのふたりは初対面同士で、うまくやってくれるのか心配していましたが、すぐに意気投合して、いつからの知り合いなの?って思うほど、仲が良くなりました。少数精鋭で、ボランティアでチームを助けてくれた人たちも、カワサキプラザ店から参加してくれた方々も、みんな打ち解けて、最高のチームで戦うことができました。それがあって、自分たちの力を出せたと思います。ただ、結局SSTクラスは表彰式無しになってしまい、残念だったけど、それでもみんなで1番を狙って挑戦して、それを勝ち取ることができて、応援してくれた人たちに恩返しができたことは、結果として上出来、うれしかったです」
 −全日本では、最終戦鈴鹿(11月5日〜6日)ST1000の予選でコースレコードに迫る2分8秒430と記録し、2番手に躍進する結果を見せます。

 「決勝に向けてのセットアップをしながら戦ってきましたが、最終戦ではチームが『任せた。頼む』と言って送り出してくれ、アタックさせてもらいました。気合いっぱつのタイムアタックを仕掛けたので、アベレージタイムではなく、決勝が厳しいのは理解していましたが、フロントローに並ぶことができ、このままトップ争いがしたいと思い、決勝に挑みました」

 −決勝レースは5位チェッカー。今季を振り返ると6戦中、5位4回、6位1回、リタイヤ1回で、最終的にランキング6位。

 「開幕戦はレース感が鈍っていたのか戦う前に終わってしまい、その後は5位が最高位。鈴鹿8耐では喜べましたが、他は悔しさしかありません。それでも精一杯に戦った結果です」
 −来季は?

 「カワサキのマシンの技術面や可能性を発揮できるレースがしたいと思っています。それは今年も同じ気持ちだったし、これからも、どのクラスでも場所でも変わらないです」

 −最高峰JSB1000には、カワサキのレジェンドライダー柳川明選手がプライベートチームから参戦。カワサキファンならずとも、期待のホープ岩戸選手にも、ワークスマシンで参戦してほしいと願っていると思います。

 「ありがとうございます。カワサキはスーパーバイク世界選手権、世界耐久選手権と活躍しているので、そんなふうに思ってくれる人が多いのだと思います。もちろん、JSB1000に参戦するチャンスがあればうれしいです。でも、自分で決めることではないので…。今年、全日本フル参戦できたこと、鈴鹿8耐にも挑戦できたことを、ものすごく感謝しています。たくさんの応援を感じました。だから、どんな形でも、来年はこれまで以上に頑張ります。変わらずに応援してほしいと思います」
 ◆岩戸亮介
 1997年8月15日生まれ。2016〜17年全日本ST600ランキング4位。2018年全日本JGP2チャンピオン。カワサキ契約となり2019年全日本JSB1000参戦。2020年からアジアロードレース選手権ASB1000参戦。2022年全日本ST1000参戦開始、ランキング6位。