スーパー耐久第3戦特集
昨年の富士24時間には50台の車両が挑んだ
昨年の富士24時間には50台の車両が挑んだ
 スーパーGTの第2戦(5月4日決勝)が開かれる富士スピードウェイ(静岡県)では、今年もスーパー耐久シリーズの第3戦「富士スーパーテック24時間レース」(6月1、2日決勝)が開かれる。昨年同コースとしては50年ぶりに24時間レースを開催。決勝日には3万2500人もの観客が詰め掛け大いに盛り上がった。今年はエントリーリストがまだ公開されておらず、出場ドライバーは決まっていないが、昨年と同じように多くのGTドライバーが出場して盛り上がるのは間違いない。

◆昨年復活

 霊峰富士の麓で豊かな自然に包まれた富士スピードウェイには耐久レースがよく似合う。スーパーGTでも5月に500キロ、8月にシリーズ最長の500マイルの2戦が組み込まれ、世界耐久選手権の6時間レースも開かれる。そんな数ある耐久レースの中でも、最も富士らしいのは昨年復活した24時間レースだ。

 トヨタ自動車の豊田章男社長も魅力に取りつかれた1人だ。昨年レースに出場していた長男の大輔さんの応援を兼ねた視察に訪れ、「富士での24時間レース開催は地域のみなさんのご理解があってこそ実現に至った。日本で24時間レースが根付いてほしい」と語っていた。自身も「モリゾウ」の名前で独ニュルブルクリンク24時間レースに出場した経験があるだけに、富士で復活した24時間をしっかり育てたい思いもあるようだ。

◆親子参戦

 今季はスーパー耐久の開幕戦にエントリーし、大輔さんとの親子参戦が話題になった。残念ながら同僚選手がクラッシュしてしまい決勝を走る機会はなかったが、第3戦の24時間では再びステアリングを握る可能性もあるという。

 昨年ル・ボーセの助っ人として参戦した石浦宏明は「24時間レースは終わった時の達成感がとても好き」と話す。国内の24時間レースは初参戦だったが、ニュルブルクではトヨタガズーレーシングの一員として5度の出場経験を持つ。自ら売り込んでレギュラーの座をつかんだという逸話もあり、すっかり24時間にはまっているようだ。

 昨年は50台の車両がエントリーしたが、今年も同様の参加が見込まれている。スーパー耐久の1戦として開催するため、ウエートハンディ制が導入されるが、登録選手は通常の4人から2人増しの6人が可能。雰囲気を楽しみながら参戦するチームも少ない。

◆照明充実

 夜間走行が避けられないため、富士スピードウェイでは開催に向けて照明などの設備を充実させた。走行中のドライバーがまぶしくならないようライトの向きにも苦心したという。また、追い越し禁止の黄旗やレース中断を示す赤旗などコース脇の監視ポストで振られる信号旗を、夜間でも視認性が高い発光ダイオード(LED)に替えるなどの対策も施した。

 「耐久の富士」の真骨頂とも言える24時間レース。今年も新たな伝説が刻まれるはずだ。

 ★子供もぐずらない

 24時間の長丁場になれば、さすがに自動車&レース好きな子供でもぐずり出す可能性は高い。そんな時はヒーローショーで一息だ。テレビ朝日系列で放映している「騎士竜戦隊リュウソウジャーショー」をイベント広場で6月1日に2回開催する。「正義に仕える5本の剣! 地球最大の危機に立ち向かうのは、正義に仕える5人の仲間と相棒恐竜・騎士竜たち!」だそうです。もしかしたら大人も気分転換になるかも? 午前11時、午後4時スタート。無料。

 ★バーベキュー観戦

 本場欧州の24時間レースのように、富士でもバーベキューを楽しみながらレースを観戦できる。24時間レースの開催に合わせて会場をオープン。食材や機材は会場にそろえてあり、事前の用意はなし。手ぶらで楽しめるのが大きな魅力だ。面倒な炭おこなしなどの準備や後片付けも専用スタッフに全てお任せなので、初心者には持ってこい。決勝スタート日(1日)は午後9時まで開いているので、ナイトバーベキューも楽しめる。予約制で、事前が1人4000円、当日は4500円。2人から受け付ける。

 ★日本初の24時間も富士 日本初の24時間レースは1967年4月に富士スピードウェイで開かれた。市販車ベースの33台が出走して雨と霧の中、細谷四方洋/大坪善男組のトヨタ2000GTが初代王者となった。翌68年を最後に休止され、昨年富士では50年ぶりに復活した。N1耐久(現スーパー耐久)シリーズとして1994年から2008年まで北海道の十勝スピードウェイでも24時間レースが開かれた。

世界の24時間レース

コースサイドにはキャンプをしながら観戦する観客の姿も目立った
コースサイドにはキャンプをしながら観戦する観客の姿も目立った
 24時間レースで最も有名なのが、世界3大レースに数えられるルマン24時間レースだ。フランス中西部のルマン市郊外のブガッティサーキットと公道を使った伝統の1戦で、毎年6月の夏至に近い週末に開催。1923年に始まり、第2次世界大戦の休止を挟み今年で87回目を迎える。

 1980年代からトヨタや日産、マツダがワークス体制で挑み頂点を争った。昨年はトヨタガズーレーシングの中嶋一貴組が日本車&日本人選手の初優勝を飾り、6月15、16日に争われる今年は連覇に挑む。世界耐久選手権の1戦に組み込まれ、2年にわたるスーパーシーズンの最終戦。

 ドイツのニュルブルクリンク24時間レースの人気も高い。市販車ベースの車両で争われ、大いなる草レースとも呼ばれて今年が47回目。峠道のような1周25・378キロの超ロングコースで争われるのが特徴。トヨタガズーが今年13回目の挑戦を果たすが、スバルや日産、ファルケンタイヤなど日本に縁のあるチームが毎年参戦。今年は近藤真彦監督のKONDOレーシングが初挑戦する。

 米フロリダ州で開かれるデイトナ24時間レースも有名だ。オーバルコースとインフィールド区間を組み合わせた特徴的なコース。今年1月の大会ではフェルナンド・アロンソと組んだ小林可夢偉が初優勝。1992年には日産の長谷見昌弘/星野一義/鈴木利男が日本車&日本人トリオで制している。

 F1も開催するベルギーのスパフランコルシャンで開催するスパ24時間もツーリングカーの祭典。2006年から1月にドバイオートドロームで開かれているドバイ24時間レースもメジャーになってきた。